MIDI鍵盤キーボードについて、色々な記事で脱線して書いていたので、とりあえず一つの記事としてまとめてることにしました。

この記事で紹介するMIDI鍵盤は基本的に、Roland A-88MK2と、Native InstrumentのKOMPLETE KONTROL Sシリーズの二つです。ただ、関心を持って色々調べて更新しているため、最終的にどうなるかはわかりません。

記事内の製品リンクの多くが、サウンドハウスの商品ページになっています。サウンドハウスの商品ページに公式サイトのリンクがあります。

サウンドハウスは業界最安値(国内代理店への卸値を遙かに下回る海外のメーカー直販ショップキャンペーン特価を除く)を売りにしているため、市場価格と製品情報がいっぺんに確認できます。

メーカーページの情報で一生懸命検討したけど、物が国内市場からなくなり、中古や転売品しか無い状態に気づくよりは良いかなと思います。

いきなり脱線します、Roland A-88MK2と、Native Instrument KOMPLETE KONTROL S88MK2の販売価格がほぼ同じだった頃に書いた記事ですが、状況が一変しました。

なんと、2023年9月12日にNative Instrumentよって、新型のKONTROL S-Series MK3が2023年10月中旬に発売されることが発表されました。

新型のMK3では、MIDI 2.0対応となり、従来のS-Series MK2のアフタータッチから、ハンマーアクションモデルを含めて全てのSシリーズがポリフォニック・アフタータッチへ変更されました。キーボードは引き続きFatar社製です。

ポリフォニック・アフタータッチと聞くとMPE MIDIキーボードのExpressive E Osmose(Rock oN)を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、ちょっと違います。

気になる新型の価格ですが、サウンドハウスによる特価セール価格(2023年7月中旬から9月13日まで)に対して、KONTROL S-Series MK3の販売価格は約倍になり、ハンマーアクション88鍵盤のS-88 MK3は約18万円に急上昇しています。

ちなみに、2024年9月25日時点で、Rock oNさんのS-88 MK3販売ページにて値上げ前の店頭在庫限り表記になっているため、もしかすると更に値上がりするかもしれません。

さて、S61 MK2を購入し大満足し、1年近く使って大分印象が変わってきたので、少し記事を書き換えようかなと思っているところです。

ずばり、Komplete15以外の音源を使う場合は、2024年9月25日時点で109,800円で購入できるRoland A-88MK2がお勧めです。

価格もですが、音源に縛られることがないRoland A-88MK2は、UVI社やEAST WEST社やIK MULTIMEDIA社など、どの音源に対しても、素直に使うことができます。

さらに、A-88MK2はMIDI2.0へのアップデート対応が完了しました。あまり恩恵に授からない機能ではありますが、Digital Performer11のMIDI2.0記録データーの数値のばらけ具合から、鍵盤としての精度の高さがうかがい知れました。

個人的には2段に重ねて、メインのハンマーアクション鍵盤は、A-88MK2、上段サブ鍵盤としてセミウェイト鍵盤のS61 MK3やS49 MK3などが良いのではないかなと思います。

MK2もMK3も、「ピッチ(Pitch)」と「モジュレーション(Modulation)」ホイールに加えて、「タッチストリップ(Touch Strip)」の3種類があります。

「Touch Strip」には、レベルがわかるLEDのライトがあり、バイオリン音源系の音の大きさ調節などにすごく便利です。

さらに、鍵盤のベロシティを最大に固定してくれる「FIXED VEL」ボタンがあります。鍵盤をたたく強さによって音が変わる音源などの入力にすごく役立ちます。

Roland A-88MK2のピッチとモジュレーションは、一体となっており、上下にバネが入っているため、モジュレーションで音量を調節する楽器では、左手が塞がってしまい使いにくいところがあります。

Roland RD-2000のように別途ホイールが2つついていれば良かったのですが。。。

さて、10万円台から20万円台に価格帯がワンランク上がった新型S-Series MK3には、キーボード内にマイコンが搭載されました。

マイコンパワーは強力で、S-Series MK3はNative InstrumentのNative InstrumentのKOMPLETE専用端末として、サクサク音源を選ぶことができるようになっています。

タタタタタッになれると、MK2のもっさりに我慢できなくなるかもしれません。

パソコン側で音源切替などで生じる画像の伝送などを制御していたMK2より圧倒的に快適です。USBに流れる信号も減って良いことづくめです。

ただし、やはり、価格がネックになっています。

SシリーズMK3の発売当初より若干値段が下がりましたが、価格帯が20万円に近づいてくるとミドルハイラインも比較候補として、浮上してきます。

例えば、検討対象にAKAI( アカイ )のMPC KEY61も加えた方が、後からあっちにしとけば良かったとならないと思います。

ワークステーションシンセサイザーにはなりますが、ROLANDのFANTOM-08や、FANTOM-06も検討対象にすると、またまた、更に3ヶ月ぐらい悩ましい状態を楽しめるかと思います。

なかなか、20万円を超えるシンセサイザーやワークステーションやスタジオピアノを実機で並べている楽器店は少ないですが、是非是非、楽器店で試弾してみることをお勧めします。

運命と思えるような楽器との出会いはなるべく速いほうが良いと思います。

10万円以下購入できた旧商品のMK2シリーズがあった頃は、10万円クラスで同等クラスのキーボードがなく、ほぼS88 MK2かA-88MK2かの2択でしたが、MK3となり価格帯が変わった2024年9月時点では、比較する意味がない気もします。

音源がないMIDI鍵盤にするか、音源が入っているシンセサイザーの分かれ道は、手持ちのソフト音源次第だと思います。


さて、記事に戻ります、A-88MK2もSシリーズも、シンセサイザーやMusic Workstationのように内蔵音源を持たず、パソコンのソフト音源やMIDI接続した外部音源をならすことを目的に作られた鍵盤です。

ただし、Native InstrumentのKOMPLETE KONTROLキーボードは、Native Instrumentのソフト音源をならすために作られています(もちろん他社のソフト音源も普通に鳴らせます) 。

以前僕は、冷やかしではなく本気で購入するために、パソコンを楽器店に持ち込んで、セミウェイト鍵盤を採用したNative Instrument Komplete Kontrol S61と、Roland FANTOM-07を、手持ちのソフト音源につないぎ、弾き比べてわかったことがあります。

それは、外部音源ソフトでは、FANTOM-07にある内蔵音源の絶妙感が、薄れたという感覚です。

この経験によって、キーボードの絶妙な引き心地は、鍵盤の品質だけではなく音源がハード的に融合させることで、再現していたのだと、身をもって知りました。

僕は開発者ではないので実際の所はわかりませんが、音の強弱を伝えるMIDI信号のベロシティ(Velocity)パラメーターをセンサー数値と直線的に正比例させるよりも、パラメーターを曲線的に変化させ搭載されたセンサーや音源の特性に合わせて弾いた人のフィーリングに合わせた方が、イメージ通りの音が鳴るような気がします。

Native InstrumentのKOMPLETE音源は、開発時に汎用パラメーターと併せて、同社のフラグシップ鍵盤であるS61やS88での最適化パラメーターを独自に持たせているかもしれません。

実際に、Komplete14の音源(NOIRE PURE)を同じ力と速度で弾き比べてみると、A-88MK2では、S61 MK2よりも、音の勢いが弱くなっています。若干こもっているかなとも感じたりもします。

VI Labs社のItalian Grandが僕の中では結構お気に入りのソフトピアノ音源なのですが、こちらの方はどちらの鍵盤も良い感じで鳴ってくれます。ちなみにUVI社のエンジンを使うため、音源サイズは2GB程度と超軽量。旅のお供にいつでもどこでも。。。。

ところで、今日初めて知ったのだけど、ずっとアメリカの会社だと思い込んでいたUVI社はフランスにある会社だったそうです。

おっと、脱線を戻しますが、もちろん、A-88MK2のベロシティの傾き設定を調節すれば問題ないと思いますが、初期設定ではちょっと不利だと思います。

Native Instrumensts社の音源は、ライブで鳴らす音源というよりは、DTMで他の音と手早く調和さやすい音源という感じです。

いくら単音でならしていい音と感じても、他の音と組み合わせると使いにくい音源は多いです。ソロ練でかっこいいけど、バンドで合わせると目立っちゃうのに似ています。

ザックリ録音時にイコライザーのEQ調節で他の音のための隙間を空けたりしなくても、初期プリセットでサクッとはまるのがNative Instrumenstsの音源の特色かなと、僕は感じています。

ということで、DTMにつながずに楽器として演奏(音)を楽しむ使い方には、向いていないような気がします。

そもそもピアノを模倣したハンマーアクション鍵盤を採用したS88-MK2と、バネを利用したライト鍵盤やセミウェイト鍵盤を採用したS61 MK2では、構造が違うかもしれません。

どっちが優れているかという問題ではなく、そもそも構造が違うため別楽器と言っても良いかもしれません。

この間S88-MK3を試してみました、やっぱり、Komplete14の音源をならすならS88-MK3の方が、鍵盤フィーリングがいい音がします。

色々音源を試していますが、特定の音源を想定していないRoland A-88MK2の方が、オールマイティーな使い勝手としては、向いているような気もしました。

あくまで僕個人の感じた感じなので、最終的に購入検討する時には、楽器店で試弾して確認することを強くおすすめします。

今回は、参考にもならない参考程度の記事です。実際に調べれば調べるほど、選択肢が増えていきます。

楽器は価格帯ではっきり品質が分かれており、カタログスペックに同名のセミウェイト鍵盤やハンマーアクション鍵盤と書かれていても、全然弾き心地やフィーリングがまったく違っています。

書いてはみましたが、なかなか難しいなぁと思います。結局最後は予算と憧れとかっこよさ。。。後は妥協かもれません。

購入するときに検討すること

Music Workstationやシンセサイザーと違い音源の入っていない鍵盤を置いている楽器店は少ないですが、88鍵盤の幅は140cm以上あり、ネット情報よりも実際にお店で試弾して購入することを強くおすすめします。

10万円付近では、YAMAHAも音源を内蔵していないMIDI鍵盤を販売していますが、カタログを見ると採用されている鍵盤がGH3よりもワンランク下の電子ピアノで採用されているGHS鍵盤と書かれていました。

価格帯的に、10万円台でピアノに近い弾き心地ではRolandとNative Instrument S88 MK2との2択かなと個人的には思います。

色々試しましたが、やぱはり、10万円付近の鍵盤を弾き比べてみてもあまり違いがないような気がします。

もちろん、2014年から仕組みが変わっていないPHA4に対して、2023年11月頃発売されたS88-MK3には、新開発のポリフォニック・アフタータッチ鍵盤が採用されています。

使い込めばMK3鍵盤とMK2の違いがわかってくるかもしれませんが、1時間ぐらい試した感じでは、傾向はMK2と変わらない気がします。

鍵盤品質だけに着目すると、A-88MK2の価格据え置き価格に対して物価高に伴う値上があったS88-MK3の品質ランクは同等のような気もします。

Sシリーズが採用した鍵盤を製造するFatar社について

SシリーズMK2からMK3への価格上昇について、その理由というか、使われている鍵盤についても事前調査したため、購入検討時の情報を共有します。

ヨーロッパ支部に出向中の職場の同僚や、イタリア支部から出張できているイタリア人から聞いた話ですが、ヨーロッパの方が日本より給料の上昇率が高くなっています。

Native Instrumensts社がこだわりを持って採用をしている鍵盤メーカーのFatar社は、イタリアにあります。

イタリアの気質として、ローマを中心に、北部と南部では、全然性格が違います。Fatar社はRecanatiにあり、フェラーリも北部のMaranelloにあります。

北部に住むイタリア人は、働き者で緻密な職人気質が高い性格の持ち主が多いという特徴があります(幾人かのイタリア人いわく)。一方南部は、明るくて陽気な性格が多いそうです。

その性格が反映しているからでしょうか、Fatar社では、熟練職人が誇りを持って最終チェックと調節を全品行い、鍵盤にはチェックと調節を行った職人の名前が入っています。

Fatar社のベストセラー鍵盤であるTP/100鍵盤は1台10分程度の時間と誇りをかけて88鍵をすべてチェックしているこだわりがあります。

大幅に改良したTP/110鍵盤採用したキーボードの一つに、24万円クラスのステージピアノのStudiologic / Numa X Piano 88などもあります。

20万円を超えると、各メーカーの威信をかけたフラグシップモデルとなるため、よりどりみどりです。

Fatar社製のキーベッドを採用したS88-MK3の価格上昇は仕方がないと思います。

ちなみに、MK2はFatar社が製造しているようです(MK3も引き続きFatar社が製造している可能性は高いです)。

20万円台を超えるとメーカーごとの特色が出る

10万円台に対して、ワンランク上の20万円台を超えてくると、同じ価格帯で比較してもメーカーごとの個性が色濃く出てきます。

88鍵盤での採用が多いハンマーアクション鍵盤の場合は、GH3鍵盤やPHA4やPHA-50といった鍵盤の種類が併記されています。

一方で、バネを利用したライト鍵盤やセミウェイト鍵盤の場合は、鍵盤の型番などが何も書かれていないことが多いです。

そのため、20万円を超えるRoland FANTOM6のカタログスペックにある、セミウェイト鍵盤と、4万円台の鍵盤に書かれたプロ仕様の高品質なセミウェイト鍵盤を同じと感じることもあるかと思いますが、別物です。

デジタル的なMIDIといっても楽器なので、実際にお店で試弾するか持っている人に試させてもらうのが一番だと思います。

演奏目的で楽器を購入するときの後悔しないためのテクニック

楽器を購入するときに後から後悔しないためのテクニックとして、楽器のイメージがつかめるようになってきたら、なるべく高級な楽器を買った方が、長く使えてお得だと思います。

これは、楽器に限った話でなく、演奏会でも自動車でも、ホテルサービスでも、やはり最高級品の存在を知った上で選ぶことは色々なメリットがあります。

例えばピアノを購入するなら、近所の楽器屋に行く前に、スタインウェイを弾いてから行った方が、楽器の違いや予算感などを納得できて良いと思います。

スタインウェイは知名度も高く、汎用品的な低価格ラインがない上に、正規代理店の接客対応も良いので、僕は体験して良かったなと思いました。

ちなみにスタインウェイの特約店は全国の主要都市にあるため、どこに住んでいても1万円程度の新幹線代で行くことができると思います。価格が高いピアノの調査費としては安いと思います。

やっぱり、スタインウェイという名前を聞くだけで高い高いと感じる方も多いです。

確かに高額ですが、所得を相対的に見れば、高校生が一目惚れした当時の小遣い10年分のギターを購入するときのように頑張って稼げば、サラリーマンでも購入できる価格帯なので、意外と安いですよ(本当に欲しいと思う人ならね)。

まずは、スタインウェイの音を知った上で、自分の購入できるギリギリのピアノを比べることで、納得感も生まれ、本当に必要でなければ、やっぱりいらないかもと思うことも出来ます。

とはいえ、品質も高くやっぱり魅惑の楽器であることは間違いないため、試してみるという行為が危険な挑戦になるかもしれません。

ただ、最初は手の届かない高嶺の花だったとしても、スタインウェイを買っちゃおうと思えたらラッキーです(たぶん置く場所も必要になります)。

人生目標はお宝です。バイト3件の掛け持ちだって目標があれば何にも苦痛を感じませんでした。

一番もったいないのは、この程度でいいやとか、これしか買えないからと購入した後に、ちょい足しでちょっと良い物に買い換えを繰り返していく行為です。

ギターではよくあることで購入後に更に良いギターに気づき本数が増えていくケースになります。

購入後に後悔したくないのであれば、現時点で体験できる最上級の製品を体験してから選ぶことが後悔しないテクニックだと僕は思います。

おっと、MIDIピアノの話でしたね。どんなピアノにしても、ピアノには毎年調律が必要になります。電子楽器に調律は必要ないので、買った後のメンテナンスを考えなくて良いのはかなり楽だと思います。

いずれにしても、「価格=コスト=品質」なので、結局予算次第で決まるという感じです。どこまで求めるか、そこがはっきりすると、中長期的に長く使え後悔が少ない買い物になるかと思います。

中古や極端に安い電子ピアノへの注意

10万円以上するMIDI鍵盤の型番を検索してみると、在庫処分につき即納新品43,000円など極端に安い店が目にとまりましたが、99%詐欺サイトです。

たとえ本当に処分だとしても楽器なのでどうしても個体差があります。いくら安くても。しっかり対応してくれるお店から購入した方が安心です。

メルカリなどのネット上でのフリーマーケットに出品されている中古についても注意が必要だと感じています。

88鍵盤の幅は140cm以上あります。楽器店での買い取りにおいて、少しでも状態が悪い物は、買い取りが拒否されるのは普通によくあります。

そして楽器も音響機器も、不具合を感じてメーカー修理を出しても症状無し判定だったり、交換修理で戻ってきたけど違和感がある事もよくります。

自治体によっては連絡ゴミで回収してくれますが、業者連絡となる地域もあるそうです。ババを引くと大変なので注意が必要です。

信頼できる楽器店以外からの中古購入はリスキーだと思います。

目的が演奏?それともDTM入力?で変わる

僕の場合は、DTM入力よりも、リアルタイムに鳴らして没入したいという希望を第一にして選びました。

リアルタイムの演奏を楽しみたいのであれば、シンセサイザーやミュージックワークステーションの方が幸せになります。やっぱり、20万円以上する楽器の方が断然良いです。

とはいっても、シンセサイザーやピアノ音源以外では、専用音源の方が圧倒的に優れています。

実感を持ってお勧めできるEAST WEST社が販売する、弦楽器や木管や金管楽器などの専用音源と、シンセサイザーの音を比べると、やっぱり、サンプリングマイクが複数ある専用音源の方が、断然音が良いです。

例えば、HOLLYWOOD ORCHESTRA OPUS EDITIONよりも更に魅力的な、Hollywood Strings 2のREVERBをOFFにして弾いたときの音は、まるで自室で自分が弾いているかのような音がして没入感が半端ないです。

これは、シンセサイザーではあり得ない品質です。

そんなこんなでEAST WEST社のバイオリンを布教していたら、Expressive E Osmoseなどの別物鍵盤が必要になりますがAudio Modeling SWAM Solo Stringsはもっと生らしい音がするそうです。バイオリンの沼はヤバイです。

こんな感じで、僕の場合は、ソフト音源が多いので、高価なシンセサイザーではなくMIDI鍵盤を選びました。音源が入ってない分だけ、鍵盤にコストをかけれるだろうという思惑からです。

ふとDTM入力をしながら、そもそもプロの演奏家のような芸術的な演奏をしっかり信号か出来るキーボードと、鍵盤を押したときのフィーリングやイメージを、イメージ通りの音で鳴る音源に合わせて数値化できるキーボードが同じである必要はないと感じました。

目的が演奏とDTM入力では全然違ってくると思います。

ピアノ演奏練習とMIDI鍵盤は分けて考えた方が良いかも

同じピアノを使ってフォルテッシモで鍵盤を強く弾いても、弾き手によって音が全然違ってきます。

極端な例になりますがコンサートのパンフレットに世界最高峰のピアニストついに来日と紹介されるような、ニコラ・アンゲリッシュさんやアンドラーシュ・シフさんのピアノの音は素人には絶対に出せません。

アンドラーシュ・シフさん級のピアニストがMIDIのソフト音源開発で収録に協力するとは考えにくいですが、サウンドコントロールされた環境で一定以上のレベルの人が収録した音が収録されています。

つまり、寝っ転がりながら適当に鍵盤を叩いても、姿勢を正してバシッと弾いたときと同じ音が鳴るのがMIDI音源の特徴です。

こうなってくると、グランドピアノが引けなくても、ソフト音源の収録音からMIDI鍵盤を弾いたときに自分がイメージできるうっとりする音色が出ればそれでいいような気がします。

重要なのは、本物のピアノの再現度ではなく、いかに自分が求める音をイメージ通りにくみ取ってくれる高精度かつフィーリングが良いMIDI鍵盤です。

この視点から考えると、ピアノの練習用とは分けて考えた方が良いと思います。

楽器を演奏目的で選ぶ機種の違い

あくまで僕自身の主観でリアルタイムで楽器を演奏する目的で機種を選ぶときの感覚を、説明すると、良い楽器になるほど、自分が鳴らしたい音をイメージ通りに再現してくれます。

例えば高額な楽器ほど、音と打撃感のフィーリングが絶妙で、弱くふわふわした音から、切り裂くようなシャープな音まで、微妙な変化の違いを細かく表現してくれます。

一方で、低コスト商品では、色々な物が大味になっています。音の強弱も、階調がなめらかではなく、パラメーター的に、0,32、64,96,127といった感じで、微妙な音の違いを調節して再現することが出来ません。

RolandやYAMAHAやKAWAIにKORGなどではまずありませんが、ブランドが確立されていない低価格品の中には、明らかに音が出遅れて鳴っているように感じる物もあります。

価格に合わない低品質な商品を作るメーカーはブランドとして残りません。

自分の演奏や利用法に合う合わないはありますが、演奏目的での機種ごとの違いは、「価格=コスト=品質」です。

一部の希少性や装飾性に価値を見いだす楽器を除き、フィーリングの違いは品質と等価となり、価格帯の違いは確かにあります。

稼げているプロの作曲家は、何でも良い

職場の関係で色々な職業作曲家と関わる事があるのですが、打ち合わせで持ってくる機材は、IK MULTIMEDIAのiRig KeysやM-Audio Keystation Mini 32などが多いです。

楽曲修正など普通に、MacBookProつないで、その場でパパパッと修正していきます。

一番優先していることは、省スペースと携帯性とのことでした。

とにかく、音の強弱のペロシティは無いよりは合った方が良いけど、どうせ、DTM上でクオンタイズしてペロシティパラメータも数値入力するから、鍵盤から手早く音符さえ入れば良いと言った感じ使っています。

ドラム入力では鍵盤やパッドなど利用せず普通にマウスでピアノロールにクリックしてパパパッとコピペ増殖して作っていきます。

ソフト音源に収録されているパターンを、こんな感じ?とピアノロールに貼り付けることも多いです。

そして、基本的に作曲や編曲活動では、シンセサイザーやミュージックワークステーションは使わないそうです。

なぜなら、共同作業や納品するときにハードがなければ音が鳴らない物は求められていないからです。

最終納品は成果物としての音声データになっていますが、編曲などは一次や二次といった下請けもあるそうです。

以前、職場のプロジェクトでスタジオに、ドンキに積んでありそうな見た目のMIDI出力が出来る昭和風のスピーカーが付いたおもちゃの鍵盤を持ってきた、著名な作曲家がいました。

これなら、電車移動でぶつかって壊れても怖くないし、コーヒーをこぼしても心配しなくて済むと話していました。

現場でMacBookProにコーヒーこぼした時、拭く前に慌てて写真撮ってるひとです。楽器を電車に置き忘れたり、過去に色々あったのだと思います。

稼いでいる人は、弾き心地など全然気にしていないみたいでした。

楽器に限らずプロが使っているといった紹介文を見かけることがありますが、あまり参考にならないかもしれません。

ただし過酷な環境での耐久性と信頼性の高さを求めるプロが使っているといった「なぜ」が具体的に書かれている説明は参考になるかと思います。

ここで書いた鍵盤のサウンドハウスリンク

MIDI鍵盤の種類

まず分類としてのMIDI鍵盤の種類を紹介します。

MIDIキーボードによるピアノ音源入力は、ペダル状態もありますが基本的に、音程と、音の強弱信号であるVelocityのパラメーターを使って音を鳴らしています。

MIDI鍵盤の構造ですが大きく分けると、MIDI鍵盤は3種類があります。

  • バネ式の、ライトウェイト鍵盤
  • バネ式におもりが付いた、セミウェイト鍵盤
  • シーソー方式の、ハンマーアクション鍵盤

ちなみに88鍵より少ない73などの鍵盤で、ピアノの構造を模倣したハンマーアクションの採用したキーボードを、見たことがありません。

ライトウェイト鍵盤

ライトウェイト鍵盤は、ハーフサイズのミニ鍵盤などに多いハーモニカのような鍵盤です。

タッチが軽くなっています。繊細な表現には向いていませんが、バネでしっかり戻るため連打演奏などに向いています。

楽器と言うより部類的にはおもちゃの電子ピアノで採用されています。ライトウェイト鍵盤もピンきりです。

ライトウェイト鍵盤でのベロシティは、実際に鍵盤の押す力を検出しているのではなく、鍵盤の早さを元に、音の強さを読み取っています。

シンセサイザーや電子オルガンの鍵盤がオンオフスイッチだった頃に登場した、画期的な検出方法です。

価格帯によっては、音の強弱信号のベロシティ(Velocity)信号が常にMAXの127になっている物もあります。

精度が高くても4段階(0,32,64,96,127)鍵盤が多く、繊細な演奏には向いていません。

セミウェイト鍵盤

ざっくり書くとライトウェイト鍵盤の先端裏側にウェイト(重り)が付いている構造の鍵盤を、全てセミウェイト鍵盤と呼びます。

グランドピアノのエスケープメント構造のカックン感を再現する必要が無く、バイオリンなどの弦楽器などを、ふわっとならすことが出来ます。ここが、ハンマーアクション鍵盤との大きな違いです。

ライトウェイトよりもワンランク上のクラスに搭載されているセミウェイト鍵盤は価格帯によって、本当にピンきりです。

そのため、低価格帯と高級機種では全然フィーリングが異なってきます。

高級機種と低価格帯の違い

同じセミウェイト鍵盤と書かれていても、高級機種になると明らかにフィーリングが違うと感じる物が出てきます。

先に書いたとおりセミウェイト鍵盤は鍵盤先端に重りが付いている構造を表しており、鍵盤が厚くなって強度が高くなっていたり、鍵盤のウェイトやバネを一律にそろえるのではなく慎重に個別調節などで全然違う物になります。

さらに、鍵盤の動きを複数のセンサーで検出したり打撃量を検出するセンサー等を搭載した複雑な構造で精度を上げている物もあります。

このように価格帯によって、色々な構造があるかと思います。

例えば、セミウェイト鍵盤のROLANDのFANTOM-07といったフルサイズの47鍵盤や61鍵盤や71鍵盤の高級機種は本当に弾いていて気持ちよい絶妙さを感じます。

アフタータッチ機能

セミウェイト鍵盤の中には「アフタータッチ」という、弾いた指を戻さず更に押し込むことで強弱をつける機能がある物もあります。

MIDI鍵盤のスペックで書かれているアフタータッチ付きは、エレクトーンなどの鍵盤にあるアフタータッチに近い感じです(エレクトーンのアフタータッチも色々な種類があるようです)。

ちなみに、タッチの後という意味の「アフタータッチ」は色々な使われ方がされているため、質問した相手によって答えが変わってきます。

例えば、グランドピアノの調律や、演奏時の指先テクニックなどでもアフタータッチという言葉が使われますがMIDI鍵盤で使われる意味とは異なります。

エレクトーンなどで使われるアフタータッチは、打楽器構造のピアノと違い、バイオリンや弦楽器や金管楽器やエレピ(エレクトロニックピアノ?)など音を出し続けながら途中で強弱をつけることが出来る音色では役立ちます。

アフタータッチ構造もピンきりです。

機種によって全然違ってくるため、あくまでKOMPLETE KONTROL S61MK2の感覚で説明すると、鍵盤を普通に弾き底付きを感じた後に更にググッと押し込むと、ゴム状の物をテコで押し込んだような指先の感触になっています。

結構力がいるため、左手の小指では押し込むことが難しく、右手操作かなとおもいます。ちなみに、2023年10月に登場した新型のMK3では、鍵盤それぞれが独立して反応するポリフォニック・アフタータッチになっています。

なかなか店頭でいきなり気づきにくいところですが、弾いた後に勇気を出して更に押し込むことで、弾き心地を確認できると思います。

ちなみに、カタログスペックをよく見せるだけで搭載された、アフタータッチ構造の影響で、悪い印象を持っている方もいます。

原因は、フィーリングのメリットが薄くMIDIのパラメーター変化信号が記録されるやっかい機能というイメージが定着しOFFにする人が多いことが影響しているようです。

アフタータッチは本当にピンきりです。

ハンマーアクション鍵盤

ハンマーアクション鍵盤は、ピアノアクション鍵盤とも呼ばれ、バネを使わず重さを使ったシーソー方式でハンマーが動きます。

88鍵盤のステージピアノやワークステーションシンセサイザーで採用されています。アップライトピアノやグランドピアノと同じシーソー構造など様々です。幅も140cm以上あります。

高級機種になるほど鍵盤の隠れた部分が長くなる

高級機種になるほど見えない鍵盤が長くすることで、弾き心地を更に良くしましたと紹介されています。

鍵盤が長くなると支点が奥にすることができ「てこの原理」の力点と作用点の分配比率が大きくなります。距離の変化量が小さくなることで、力学的に鍵盤の手前と奥の差を小さくしています。

また、シーソー構造では支点までの距離が長ければ長いほど、繊細な変化を伝えやすくなります。

鍵盤が長くなるとハンマーがある作用点側のおもりも重くなりますが、カンターウェイト(おもり)を力点側の手前につけることで、バランスがとれ軽くなります。

音源が入っていないMIDI鍵盤の中でピアノを強く意識したKAWAI VPC1があります。これは、シーソー式木製鍵盤「RM3グランドll」を採用してあり、弾いたときの印象はピアノに特化した専用鍵盤でした。

ステージピアノやワークステーションシンセサイザーなどで採用された、MIDI対応のハンマーアクション鍵盤は、10万円台、20万円台、30万円台で品質に差があります。

引き比べるとそれぞれ特徴があり、これは実際に弾いて選んでいくしかないと思います。10万円台の次は20から30万円といった感じです。

サザンオールスターズの原祐子さんがライブで使っているCP4(NW-GH鍵盤)の後継機である、ステージピアノのYAMAHA CP88(NW-GH3鍵盤)も、うっとりするような響きと共に弾きやすいピアノでした。

エクスケープメント構造の善し悪し

ハンマーアクション鍵盤のカタログにある、エクスケープメント付き機能には2種類あります。

1つには、ただ単にグランドピアノのクリック感を再現した物があります。

2つ目は半戻り状態から次の打弦を可能にするグランドピアノのダブル・エスケープメント・アクション機能を模倣した物まで様々です。

ハンマーアクション鍵盤全般にいえることですが、エスケープメント構造を模倣した鍵盤は、鍵盤を下げていく途中でクリック感的な抵抗変化があります。

エクスケープメントが向いていない楽器音色

エクスケープメント構造は、ピアノを弾くときには凄く良いのですが、バイオリンや金管楽器などのような、じわっと音を変化させることが出来る音源では、セミウェイト鍵盤よりも向いていないケースもあります。

ピアノのようにふわっと繊細にならすことは出来ますが、品質が高いセミウェイト鍵盤と比べるとググッとシャープになってしまいます。

ハイブリッドピアノの鍵盤(別格品質)

MIDI鍵盤とは違いますが、据え置き型の電子ピアノに採用されており、USBによるMIDI出力があるのでMIDIキーボードとしても使えるハイブリッドピアノという物があります。

ハイブリッドピアノは、アコースティックピアノのアクション機構を搭載したジャンルの名称です。

シンセサイザーやミュージックワークステーションで採用された鍵盤より、さらに見えない部分が長く、力学的にグランドピアノと同様な構造のアクション機構が搭載されています。

今のところ、最上位機種のYAMAHAとKAWAIとCASIOの据え置き型電子ピアノで採用されています。

中でも、カシオのGP-510BPはグランドピアノのような弾き心地でした。

構造も大がかりのため、ステージピアノやワークステーションシンセサイザーには、採用されないと思います。

ただ、このクラスの弾き心地は別格感があります。

たしかに、PHA-50などの模倣鍵盤の限界がきているのか、ここまで苦労するするのなら、本物のピアノのアクション構造でセンサーをたたいた方が早くない?と、コロンブスの卵的な発想で生み出されたような別格品質です。

別格の別格として、電子ピアノの最上位にはスタインウェイが君臨しています。スタインウェイによるスタインウェイ品質のグランドピアノに、自動演奏装置をつけたSPIRIOなどがあります。。。別格どころか別世界の品質です。

ハンマーアクションだけが最適解ではない

88鍵盤のステージピアノやシンセサイザイーの最上位機種では、ハンマーアクション鍵盤がほぼ採用されています。

そのため、ハンマーアクションが最適解のように以前僕は感じていました。なんとなく、セミウェイト鍵盤は低価格帯のキーボードで採用例が多いため、そういうイメージを持ってしまいました。

ところが、セミウェイト鍵盤も20万円を超える機種には唯一無二の魅力がありました。

本当に弾いていて気持ちが良いです。

内蔵音源に対する評価なので、パラメーターの幅がたった128段階しかないMIDI鍵盤としてソフト音源を鳴らしたときのイメージは変わるかもしれません。

ハンマーアクション鍵盤など、構造をピアノに近づければ近づけるほど、オルガンやドラムやバイオリンなどからフィーリングが離れていきます。

なんとなくNative Instrumentのセミウェイト鍵盤は、選択楽器によってセンサーのアルゴリズムなどを変えているのではないかと感じてしまいました。

結局の所、ハンマーアクション鍵盤とライトウエイト鍵盤は別物であり、対象楽器に近づければ近づけるほど、向き不向きが出てきます。

色々な面で許されるならハンマーアクション鍵盤とセミウェイト鍵盤の2台持ちが最適解だと思います。

Music Workstationやシンセサイザーの鍵盤が良いわけ

ソフト音源と違い、シンセサイザーやMusic Workstationといったハードウェア音源は、楽器がなければ音が出せません。

シンセサイザーには、ボリュームつまみやスライダーにモニターなど色々な物が付いています。

また内蔵音源ならMIDI規格に縛られないため、鍵盤の読み取りには色々なセンサーや特別なアルゴリズムが利用できます。

鍵盤の見えない部分を長くすることで弾き心地を改善しているため、物理的に良い弾き心地の鍵盤を採用することが可能となります。

そもそも、価格帯が上なので、高品質なシンセサイザーやミュージック・ワークステーションの方が物が良い物を採用することが出来ます。

10万円台で気になった88鍵盤キーボード情報

MIDI鍵盤には本当にたくさんの種類があります。最初に書いたとおり、10万円付近のピアノ鍵盤の価格帯で低価格帯とはひと味違うピアノに近い弾き心地という条件では数が限られてきます。

今回は、ちょっと範囲が狭いですが6畳程度の小部屋に持ち込める、MIDI鍵盤として気になった商品を紹介します。

ただし15kg以下でなんとか一人で移動でき、プロフェッショナル用途対応の88鍵盤となると、RolandとNative Instrumentの2択かなと感じました。

2020年ごろの検討内容を、今風に再度書いた内容ですが、僕は最後までS88 MK2と迷い、最終的にRoland A-88MK2を選びました。

この記事を最初に投稿した後に結局気になっていたS61 MK2を買ってしまいましたが、Native Instrumentは展示しているお店がないので悩ましいところです。M32の作りを見ると、どちらを購入しても満足できる思います。

KOMPLETE KONTROL S88 MK2 MIDIキーボード

Native Instruments社のKOMPLETE KONTROLのSシリーズは、MK2から引き続きMK3もイタリア人スタッフが全品出荷検査と調節をして検査員がサインしているFater社製のPro仕様鍵盤を採用しています。

Native Instrument社製では一番高いMIDI鍵盤となるSシリーズには、定価3万円相当の音源として同社のKOMPLETE 14 SELECTなどが付属します。

ちなみに、Komplete15についてくるSELECTは、3つのバージョンに分かれ価格が下がりました。

少し時代を遡り、S88-MK2の定価から3万円を引いたクラスとの比較が妥当だと感じます。

キーボードの品質としては、Roland A-88MK2と同等クラスだと思います。

Native Instrument社製音源とNative Instrumentハードウェアは最適化されている?

こんな記事を書くほど、S61 MK2がものすごく気になっていたので、仕方ないですが結局S61購入してしまいました。

S61を買って大満足でした。LIVEで88鍵盤の上に70鍵盤ぐらいのシンセサイザーをのせて2段に使っているアーティストをみますが。。。納得しました。

ピアノはハンマーアクション鍵盤のRoland A-88MK2の方が良いですが、セミウェイト鍵盤のS61はバイオリンやチェロといった弦楽器を弾いたときの没入感が半端ないです。

KORGのセミウェイト鍵盤に比べると鍵盤が重たいですが、ふわっと言う音のコントロールが凄くやりやすく、思い通りの音が出ます。

あと、Native InstrumentのKOMPLETEシリーズをメインで使っている方は、モニターがないAシリーズより、Sシリーズの方がおすすめです。

モニターに音源のジャケット写真やパラメーターなどが映るため、選択や調節が段違いで良くなります。

確証は持てませんが、Native Instrument Komplete Kontrolによって、KOMPLETE音源を選択したとき、サウンドデザイナーが作成したキーボードのベロシティ曲線を適用させて最適化しているような気がします。

Native Instrument製なのでNative Instrument社の音源を最適化していることも考えられ、システムをそろえることで、内蔵音源に最適化されたシンセサイザーと同等レベルに押し上げられているように感じます。

Komplete Kontrolソフトで相互通信をしている鍵盤は、音源が対応していると使い勝手が凄く良いです。

あと、S61もM32もキーボード上のボリュームは無限回転なので、MIDIボリュームを触ってソフト上で一気に物理ボリュームやスライダー位置に動かないので使いやすいです。

KOMPLETE KONTROL Sシリーズ特価情報

2024年9月になり市場から正規流通品のMK2がなくなったため、MK2とMK3の違いを先に書きます。

MK3ではMIDI 2.0対応となり、S88のハンマーアクション鍵盤を含めて、全ての機種にFatar社製のポリフォニック・アフタータッチキーボードの搭載がされています。

ポリフォニック・アフタータッチキーボードは簡単に説明すると、鍵盤全体から鍵盤ごとに独立して、キーの押し込み後の圧力変化を読み取る機能が付いた鍵盤です。

ポリフォニックと聞いて、鍵盤を押し込む以外にも、左右に揺らしたり、ベンドしたりと、直感的なジェスチャーに対応している、30万円オーバーのExpressive E社製のOsmose 49みたいな物かなと思いましたがちょっと違いました。

MPE(MIDI Polyphonic Expression)の先駆けだった、ROLI社製 Seaboard BLOCKは、現在国内代理店の取り扱いがなくなってしまっています。さすがにこのクラスの凄い機能を持ってきたわけではないようです。

今回のMK3からキーボードに初めてマイコンが搭載されたと紹介されていました。実際に使ってみると、MK2よりもMK3の方が圧倒的に、音源の選択画面がサクサク移動できます。

KOMPLETE KONTROLアプリを使用しなくても、キーボード単体でSCALE機能によるMIDIが出力されるようになっていたら、大進化だと思いましたが、KONTROLアプリが必須です。

SCALE機能は、鍵盤を押すだけで設定したコードスケールに合わせて和音を鳴らしたり、コードの黒鍵を白鍵に置き換える機能です。

SCALE機能のハードウェア実装は、別の音源への入れ替えが容易になりNI音源離れにつながる可能性があるため、ソフト音源メーカのNative Instrumentとしては、やりたがらないと思います。

Native Instruments製のハードウェアとソフトウェアの親和性は群を抜いて良いため、今後を考えるとMK3の方が良いとは思います。さすがに49鍵盤で10万円オーバーは、考えてしまいます。

Native Instrumenstsの音源は、職業作家向けの音源が多く、最初からエフェクトが入っていたり、細かい調節なしでもポン置きできる機能などが充実しています。ここが、時間に追われるプロに愛される理由だと思います。

実際、Komplete14の音源を使って長く遊んでいると、ドラマの劇伴BGMから、あれNIの、青のドラム音源、あれNIのストリングのあのフレーズとあれを組み合わせて、サクッと作ったんだねと、色々変なところに気がつくようになりました。

これ、業界用語で音バレと言うらしいですが。。。

あのスピード感でKomplete15を使うなら、絶対に2023年10月28日ごと発売されたMK3が良いと思います。

※リストは2024年9月25日時点のサウンドハウスさんの通常価格です。Native Instrumensts製品の、日本総代理店が運営するRock oNさんでは近々値上げの予定があるそうです。

Rock oN Line eStoreの販売ページは、Kontrol S49 MK3Kontrol S61 MK3Kontrol S88 MK3です。

サウンドハウスさんでは時々5%OFFクーポンやポイント2倍クーポンが出まる事があります。

最初に「サウンドハウスで配信中の全クーポン一覧」を確認すると、購入直後にクーポンに気づく悲しさ回避することが出来ます。逆に、購入してから1週間程度は見ない方が心の平安を保てる気がします。

価格帯が20万円に近づいてきた、比較候補として、AKAI( アカイ )のMPC KEY61も視野に入ってきてしまうあたりが、悩ましいところです。

ワークステーションシンセサイザーにはなりますが、ROLANDのFANTOM-08や、FANTOM-06も検討対象になってくるかなと思います。

Rock oN Line eStoreの販売ページは、Kontrol S49 MK3Kontrol S61 MK3Kontrol S88 MK3です。

Roland A-88MK2 88鍵盤MIDIキーボード

ステージピアノと同等の耐久性を備えた、10万円台の鍵盤MIDIキーボードとしては、Roland A-88 MKIIが選択肢に入ると思います。

価格帯が近いため、Native InstrumentのS88鍵盤とよく比較されています。

ちなみに、Native InstrumentのMK2の鍵盤に付いたモニターは、Native InstrumentのKOMPLETE KONTROLを使わないと、MIDI CC信号の調節以外で使い道がありません。

WAVESなど対応アプリもありますが、KOMPLETE KONTROLに対応した音源もありますが、ボリュームの数値が画面に常時でなくても良ければ、KOMPLETE KONTROL A25 MIDIキーボードでもいい気もします。

A25は、デスクトップパソコンに付属するテンキー付きのフルサイズキーボードと幅がほぼ同じなので、SynthesizerVのピアノロール入力など、あのコンパクトさはかなり魅力的です。

ミニ鍵盤付きボリュームコントローラーとして、A25をかなり愛用しています。

さてRolandのA-88MK2は、LIVEイベントでMacBookと組み合わせてセットリストごとの設定を割り振ったり、鍵盤を2から3分割して違うMIDIチャンネルを割り当てたり、柔軟に使えるMidi鍵盤としてかなり使い勝手が良いです。

初めて弾いてみるとA-88MK2は、YAMAHA製やKAWAI製と比べると、ちょっと鍵盤が重いと感じるかもしれません。

本格的に1年使って気がついたのですが、重い鍵盤になれると、どんなピアノも楽々弾くことができます。

指の筋力を鍛えるトレーニングというか、慣れると鍵盤制御がかなり楽になります。ベロシティーカーブは6段階で調節できます。

1929年生まれで2007年にNEA Jazz Mastersを受賞した現役ジャズピアニストの龝吉 敏子(NEA Jazz Masters)さんが、3日で衰える指の筋力を維持するために毎日弾いていると話していましたが、トレーニングマシンとして良いかもと思えました。

A88-MK2は確かに少々重いと思いますが、毎日弾いていればすぐ慣れます。そして軽い鍵盤での力加減を余裕を持って出来るようになります(あくまで指の筋力だけを注目しています)。

もしかして昔の僕だけかもしれませんが、ソフト音源を弾いていると、はっきりした音を求めついつい力強く弾いてしまいがちですが、MIDI信号のベロシティは0から127までになっています。

スタインウェイのコンサートピアノを最大のフォルティッシモ(ff)で弾くと。。。歪むことなくものすごい大きな音が鳴ります。

実際のピアノで常にff弾くことはないと思うので、音が小さいと感じるかもしれませんが、最も弱いピアニッシモ(pp)からフォルテッシモ(ff)までの範囲を考えると、半分の64付近のMIDI信号を意識するのが良いのかなと思います。

ピアノに近づけたければ、スピーカーやヘッドフォンのボリュームあげれば良い感じがします。。。確かに音量が低いとパワフル感が少ないこともあります。そんなときは、エフェクトプラグインでアタック強めにしてしまったり。。。

あとシンセサイザーやワークステーション級スタジオピアノを持ち歩かなくても、M1CPUを搭載したApple MacBookAirの登場で、ソフト音源の持ち運びが容易になりました。

EastWestのHOLLYWOOD ORCHESTRA OPUS EDITIONに含まれているSolo音源は、最上級のステージピアノやミュージックワークステーションの出音より良いです(当たり前だったらごめんなさい)。

A-88MK2はハワイやニューヨークでブルーノートのようなジャズクラブで興行しているミュージシャンにとっては、重量級のステージピアノに音源は必要ない、とにかく、コンパクトで、弾き心地がよけれればいい、という時代の先を行く1つの回答かもしれません。

Roland A-88MK2の特価情報

価格が安定しているので、特価と言うほどでもないですが、第一候補は、やはり楽器専門店のサウンドハウスさんです。ROLAND A-88MK2 MIDIキーボード

Rolandさんは販路を持っているため家電店でも購入することができます。

楽天には色々なお店があるため、過去に購入経験がありサポートがしっかりしていると感じたお店を紹介します。楽天ポイントの還元によっては、サウンドハウスさんよりお得になるケースもあります。

モデルチェンジの可能性もある?

2023年7月にサウンドハウスさんの超特価に気づき他の店を調べたところ、全体的に下がっていたのでモデルチェンジかなと心配になりました。

モデルチェンジで鍵盤がアップグレードすると、えーーーとなりますが、弾き心地を改善した新型の鍵盤の奥行きはどんどん長くなっています。

内部的にはMIDIより細かな精度でコントロールしていると思われる、新型FANTOM-08(PHA-4スタンダード鍵盤)シリーズやRD-2000(PHA-50鍵盤)などを作っているローランドが、A-88MKIIのアピールでMIDI 2.0 に今後対応予定と紹介しています。

さらに、「高解像度コントロールと拡張機能がスタンダードになっても永くお使いいただける1 台です」と言い切っています。

実際に、2024年にMIDI2.0へのファームウェアアップデートを実行した後、MIDI2.0にて、Digital Performer11のパラメーター記録を取ったところ、細かなばらつきもあり、精度良く鍵盤を拾っていることがわかりました。

MIDI鍵盤としては、MPE鍵盤のExpressive E Osmoseのような方向性もありますが、MIDI2.0のような細かなパラメーターは、より複雑な音源と併せてまだまだデーター量も増えかなり先になりそうな気がします。

価格帯的にも、PHA-50鍵盤を採用した20万円台からあるRoland RD-2000やYAMAHA CP4後継機のCP88などに続き、40万円以上になるFANTOM-8 MUSIC WORKSTATION(注意:新型FANTOM-08はPHA-4スタンダード鍵盤です)と比べると、10万台での競合はほとんどありません。

キーボードの命となる鍵盤品質ですが、新開発されるローランドのPHA-50などのフラグシップ向けの鍵盤は、YAMAHAやKAWAIを含めて、どんどん奥行きが長く重くなっています。

同じPHA-50の中にも、ハイブリッド構造やハイブリッド・グランド鍵盤などいくつか種類がありますが違いは、鍵盤の長さのようです。

この上の弾き心地は、ハイブリッドピアノで採用される、ピアノのアクション構造にセンサーをつけたような奥行きと高さがある鍵盤になります。

大きさの面から行くと、A-88MKIIと同じPHA-4スタンダード鍵盤を採用したRD-88の上位となる、フラグシップステージピアノのRD-2000に採用されているPHA-50(プログレッシブ)は奥行きが37cmもあり22kgもあります。

弾き心地をよくするには重くする長く必要があります。

もう一方のセンサー精度については、最初に書いたようにMIDI2.0対応でセンサー周りにも余裕があるようにも見えます(MIDI規格ではデーターを四捨五入して捨てている?)。

ただ気になるのが発売時期です。PHA-4スタンダード鍵盤は、2009年に登場したアイボリー・フィール鍵盤に対して100倍以上の高精度センサを搭載しましたと、2014年に最初の搭載商品が発売されました。

さすがに、PHA-50など色々出てきていますが、もうそろそろ次の鍵盤が出てもおかしくない気もします。

一方で、PHA-50シリーズでもセンサー数を増やしたという案内は見ていません。

センサーはハード的な鍵盤機構の一部ですが、精度を1,000倍にしてもあまり弾き心地に変化がないような気がします。

新鍵盤として、前モデルより精度が1,000倍といったカタログアピールして発表したけど、弾き心地が変わらなかったと言った肩透かし評価が付くとブランドイメージの面で不利になります。

そこで同じPHA-4スタンダード鍵盤でも、新商品では、新型の高精度センサーを搭載している可能性もあります。100倍以上だから1万倍でも嘘にはなりません。

一時価格が9万円台まで下がったため、Roland経営不振?という不安もよぎり、なにか案内があるかなと、RolandのIR情報(投資家向け)の報告書を確認しました。

どうやら、2022年度ごろまで過剰在庫の解消を進めているとありました。

プレリリースによるとA-88MKIIは2020年3月下旬となっており初年度販売予定台数(国内/海外計):3,000台になっています。

モデルチェンジは、あるかもしれませんが、個人的には、あまり必要性は感じません。