今までの音声合成ソフトは、内部の処理エンジンが変わると、バージョンアップなどの買い直しが伴うアップグレードが必要なケースがほとんどでした。

このページでは、Synthesizer V Studio Proの最新情報と、開発元のDreamtonicsさんの紹介について記事にまとめています。

気づいた範囲内で、Synthesizer Vの最新動向について記事としてまとめています。

この記事は、ボイスパラメーターの変化がわかる動画付きSynthesizer V専用歌声データベースの一覧内の説明を移動した内容になっています。

この記事内ではまだ書かれていませんが、2024年4月16日に、Synthesizer Vの開発元による、新しいVocoflex(ボコフレックス)が発表されました。

まだVocoflexは発売されておらず、現在ベーターテスターを募集中です。

こちらは、リアルタイムで歌声を作り出す音声モーフィングプラグインです。音声変換ボコーダーみたいな物で、かなりリアルです。こちらについては追記予定です。

YouTube:音声モーフィングエンジン「Vocoflex(ボコフレックス)」紹介動画(公式)

はじめに

Synthesizer Vでは、普通ならバージョンアップで買い直しが必要な改善がずっと無償で続いています。歌声データベースを安心して増やしても無駄になりません。

Synthesizer V Studio Pro最新情報

気がついた範囲内で、実装機能などについて紹介していきます。

Synthesizer V V1.11で実装される新機能

2024年12月時点で、すでにβバージョンが出ていますが、Synthesizer V V1.11では、ボーカルMIDI変換機能が実装されました。

これは、WAVEで録音された歌声から、MIDI変換をして歌詞付きでSynthesizer Vのピアノロールに張り付く機能です。

さらに、Cubase、Studio One、REAPERに加え、Cakewalk と ABILITY でもフルARAモードに対応しています。

もうじき、ベータ版から正式版にかわり、有料版のSynthesizer V Studioユーザーに対して無償配信が始まります。

MIDI変換機能についてやり方を書いたら、長くなりすぎたのでカットします。

自分でマイク録音する以外で、一番お手軽にMIDI変換機能の元となるソロ音源を作る方法は、iZotope RX10 STANDARD版(サウンドハウスさん)を利用して、適当な楽曲から歌声分離機能を利用する方法です。

MP3がはやった頃にリッピングした楽曲を利用して、開発バージョンのSynthesizer V Studio 1.11.0b2を試してみたところ、ものすごく生々しく歌声コピーができている感じがします。

変換に関しては向き不向きもありますが、うまく機能すると、リアルすぎ、色々物議を醸しそうな予感がします。

もうご存じの方はこちらから読み飛ばせます:歌声データベースページ内リンク一覧

関連記事

まだ、荒削りですが、Synthesizer V Pro版のオーディオMIDI変換機能でわかったことにて、記事を書いています。

キーボードについては、【実演動画付き】Synthesizer V ProでMIDIキーボードを使う方法にて、紹介しています。

Synthesizer Vの開発者カンル・フアさんについて

2024年にもなりSynthesizer Vの知名度がものすごく高くなり、紹介は不要かもしれませんが、どんな人が作ったソフトなのかの紹介をします。

Synthesizer Vは、Dreamtonics社の代表取締役である開発者のカンル・フアさんによって開発されています。

開発者のカンル・フア(Kanru Hua)さんは、小学2年生からFLASHでゲームなどを作っていました。中学2年生のころ初音ミクにはまり、中国版を作ってみたいと思いVB.netを始めました。

高校時代に膨大な音声合成に関する論文を読みあさり、アメリカの大学に留学したりして実力をつけてきました。

ボーカロイド文化のある日本のヤマハにインターンとして来日し浜松の人たちとの交流から日本が気に入りました。AHSの尾形友秀代表(現会長)に販売プロモーション業務を完全委託する形で、日本で開発に専念している方です。

歌声合成ソフトウェア SynthesizerVユーザーズガイド (三才ムック)(Amazon) インタビューより

技術を追求したい開発者として理想的な環境にあり、資金も人脈もある方が作っているソフトです。

自身が代表を務めているため、大きな組織につきまとう新技術の導入に対する社内会議や根回しや販売戦略室からの実装延長要請に加えて、他の開発者からの足の引っ張り合いもないため、自由なソフトです。

ニュースリリースには、Synthesizer Vの第2世代としてVer.1.0.0が登場し、Ver.1.2.0が第3世代、Ver.1.4.0が第5世代という表記があり、新技術により大幅な変更がされてきました。

FL-Studioなど一回購入すれば一生涯無償アップデートがされるライフタイムアップデートライセンスと明記はしていませんが、今のところ無償で大幅アップデートが続いています。

2023年10月頃、ラップ対応に加えて、RLHF(Reinforcement Learning from Human)という、人間のフィードバックからの強化学習が入る強力なバージョンアップがありました。

2023年頃までは独走状態でしたが、2024年になり、他社も歌声の生々しさという点では、ようやく追いついてきた感じがしています。

2024年には、正式版のボーカルMIDI変換機能が実装される事が予想されます。

Synthesizer V1.11ではボーカルMIDI変換機能

2024年2月8日時点の最新版ベータバージョンは、Synthesizer V Studio 1.11.0b3です。

簡単に一言で言うと、ピアノロールに手動でMIDIを入力しなくても、自分の歌声を録音して解析するだけで、歌声データベースに歌わせることができてしまいます。

生々しく変換できるため、ちょっと物議を醸しそうな予感がします。

MIDI変換機能が実装されても、無償バージョンアップってすご過ぎ

今後も精力的にSynthesizer Vの発展と歌声データベースのメンテナンスが続いて行ってくれたらいいなぁと願っています。