今までの音声合成ソフトは、内部の処理エンジンが変わると、バージョンアップなどの買い直しが伴うアップグレードが必要なケースがほとんどでした。

このページでは、Synthesizer V Studio Proの最新情報と、開発元のDreamtonicsさんの紹介について記事にまとめています。

気づいた範囲内で、Synthesizer Vの最新動向について記事としてまとめています。

2025年2月13日(木)に「Synthesizer V Studio 2 Pro」が発表されました。発売日は2025年3月21日(金)です。

※開発元公式情報「進化するSynthesizer V。「Synthesizer V Studio 2 Pro」発表」

歌声データベースに関しては、Synthesizer Vの開発元となるDreamtonics社が発売している、オリジナル歌声データベースに関しては、Synthesizer V Studio 2 Proの発売と同時に、バージョン2が発売が発表されました。

具体的なアップデート方法については、別記事の「新発売Synthesizer Vバージョン2への期間限定特価の有償アップグレード方法について」に追記しています。

Synthesizer V Studo 2 Proについて

さて、具体的なアップデート方法については、別記事の「新発売Synthesizer Vバージョン2への期間限定特価の有償アップグレード方法について」に公開したため、バージョン2でどのように変わったか、書いていこうかと思います。

ただ、まとめるより、開発者による、紹介動画が公開されていたので、こちらを確認するのが早いかと思います。

気になる、バージョン1は引き続き利用できますが、今後の機能追加は、バージョン2で行われます。

商用利用規約については、バージョン1から変更はありません。バージョン1と同様バージョン2も、永久ライセンスとして利用できます。

大まかなアップデートですが、バージョン2になり、バージョン1よりもレンダリング速度が300%向上します。最近はやりのクラウド連動ではなく、オフラインで動作します。

Synthesizer V Studio 2 Proの利用には、Dreamtonicsアカウントの作成が必要になります。現時点で、Synthesizer V Studio 2 Proは一括購入となり、継続的にバージョン2に対するアップデートが行われる予定とあります。

現時点で、と含みがあり、今回のバージョン2発表の、販売プロモーションにAHS社さんの社長が出て来ませんでした。もしかすると、もしかするかもしれません。

数年先には、Native Instruments社さんやWaves社さんなどの海外のDTMプラグインのような、目が点になる割引セール販売スタイルに変化していくかもしれません。

一番危惧することは、Adobe社の一括購入からサブスクリプションサービスへの移行に対する受け皿として、一括購入バージョンアップをアピールしていたAffinity社さんのように、ある日突然、事業売却などで資本が変わり、方針が変わる可能性もあります。

新機能については、拡張されたボーカルスタイル、AIリテイク機能、音素タイミングパネル、スマートピッチコントロールとマウスオープニングパラメータなどが導入されます。

バージョン1のプロジェクトファイルとの互換性は、直接のインポートはできますが、バージョン2では対応していない、一部の編集状態が、初期状態にリセットされる場合があるそうです。

バージョン2の歌声データベースについて

Synthesizer V向けの歌声データベースに関しても、バージョン2への有償アップグレード版が必要になります。

歌声データベースバージョン2へのアップグレード

今回、2025年4月20日までの特別価格として、Dreamtonics オリジナル歌声データベースが、1点で2,900円(税別)、2点で5,800円(税別)、3点で8,300円(税別)、4点で10,500円(税別)、5点以上で12,000円(税別)にて、バージョンアップできます。

2025年4月21日以降は、歌声データベース1点で4,500円(税別)、2点で8,300円(税別)、3点で10,500円(税別)、4点で12,000円(税別)、5点で13,500円(税別)、6点以上が15,000円(税別)になります。

5製品以上のDreamtonics オリジナル歌声データベースを所有している方は、2025年4月20日までのアップグレードをしておいた方がいいと思います。

「Synthesizer V 小春六花」や、「桜乃そら」などの、サードパーティ製に関しては、各サードパーティ商品ごとに対応が変わるようです。

過去の記事(修正、編集中)

2024年12月8日時点で、Synthesizer V Studoに関する、新たな機能追加を目的とした、βテストは公開されていません。

この記事は、ボイスパラメーターの変化がわかる動画付きSynthesizer V専用歌声データベースの一覧内の説明を移動した内容になっています。

この記事内ではまだ書かれていませんが、2024年4月16日に、Synthesizer Vの開発元による、新しいVocoflex(ボコフレックス)が発表されました。

まだVocoflexは発売されておらず、現在ベーターテスターを募集中です。

こちらは、リアルタイムで歌声を作り出す音声モーフィングプラグインです。音声変換ボコーダーみたいな物で、かなりリアルです。

YouTube:音声モーフィングエンジン「Vocoflex(ボコフレックス)」紹介動画(公式)

はじめに

多くの音声合成ソフトでは、新技術や新機能を使うには、アップグレード版や新規などの買い直しが必要になることが一般的です。

しかし、Dramtonics社が開発しAHS社が販売を行っている、Synthesizer Vでは、アルゴリズムなどの内部の処理を一新しても、無償アップデートが続いています。

エディタソフトだけでなく、内部のアルゴリズムに合わせて、歌声データベースも同時に、新バージョンに合わせて無償更新される点が特徴的です。

ある日突然アップデートされるのではなく、有償ライセンスを所持している方は、正式版前のテスト版を公開してテストするβ等も利用することができます。

ここでは、現在進行中の、新機能テストについて紹介していきます。

Synthesizer V Studio Pro最新情報

気がついた範囲内で、実装機能などについて紹介していきます。

2025年2月13日(木)に「Synthesizer V Studio 2 Pro」が発表されました。発売日は2025年3月21日(金)です。

バージョン2の発売以降、Synthesizer Vバージョン1の、新機能追加は、バージョン2に移ります。

Synthesizer V Studio Pro1.11.2で実装された新機能

前回の正式版アップデートは、2024年4月頃あり、主にスペイン語への対応をしました。

直近となる、2024年9月12日に正式版としてアップデートされたSynthesizer V Studio 1.11.2では、主に、DAWソフトの「FL Studio」からのプラグイン利用での再生とテンポの同期が実装されました。

さらに、「Pro Tools」でのAAXプラグインにも対応と、Dramtonics社が開発した各歌声データベースのアップデートも行われました。

これまでの主な機能追加について

これまでに行われた、主な機能追加についての記事です。

かなり、荒削りですが、Synthesizer V Pro版のオーディオMIDI変換機能でわかったことにて、記事を書いています。

キーボードについては、【実演動画付き】Synthesizer V ProでMIDIキーボードを使う方法にて、紹介しています。

Synthesizer Vの歌声データベースのバージョンアップについて

Synthesizer Vには、Dramtonics社が開発したSakiやStudio Proに付属するMaiといった、ノンキャラクターの歌声データベースと、AHS社などのサードパーティー製として「弦巻マキ」といった、キャラクター版の歌声データベースがあります。

Dramtonics社が開発したノンキャラクター版の歌声データベースは、Synthesizer Vのアップデートと連動して、無償で更新され、バージョンアップしていきます。

しかし、サードパーティー製となるキャラクター版の歌声データベースの中には、Synthesizer Vの新機能対応がされない商品もあります。

あくまで開発元ではなく、サードパーティー製のため、対応コストなどがかかります。そのため、販売本数と、販売見込みによっては、放置される製品があるのは仕方がないことだと思います。

AHS社の看板キャラクターや人気が高い歌声は、時間がかかりますが対応しますと発表され、実際に対応されてきています。

人気キャラクターはバージョンアップ対応がされることが多い

ホビー三昧Dの偏見がかなり入っていますが、AHS社の看板キャラクターは、「弦巻 マキ」「宮舞 モカ」「桜乃 そら」そして、「フリモメン」です。

また、TOKYO6 ENTERTAINMENTが展開する「小春六花」や「夏色花梨」なども人気があります。

小山乃舞世さんの声を元に作られた「重音テト」に関しても、販売元のAHS社さんが強力にプロモーションを仕掛けていたりと、根強い人気があるため継続的なアップデートが期待できます。

Synthesizer V Studo Proでの歌声データベースのバージョン切り替え方法

Synthesizer Vの機能拡張により、歌声データベースのバージョンが上がると、再生した時の歌声が大きく変わることがあります。

そのため、過去に完成した曲で使った保存データを、最新の歌声データベースで再生することによって、歌声が変わってしまうことがあります。

Synthesizer V Studio Proでは、複数バージョンの歌声データベースがインストールでき、プロジェクト毎にバージョンを切り替えることができます。

たとえば、「Saki AI」では、バージョンアップ更新などでインストールした119、124。。。128などの中から、切り替えることができます。

Synthesizer V Studo Proでの歌声データベースのバージョン切り替え方法
Synthesizer V Studo Proでの歌声データベースのバージョン切り替え方法

保存ファイルごとに設定が記憶されるため、一度設定すれば、ファイルを読み直すたびに、切り替える必要はありません。

過去の歌声データベースの入手方法

最新の更新データは、Synthesizer V Studo Proの更新タグからインストールすることが可能です。

一方、過去の歌声データベースは、販売元のAHS社さんにユーザー登録することで、マイページから過去のアップデータのセットアップファイルをダウンロードすることができます。

Synthesizer Vの開発者カンル・フアさんについて

2024年にもなりSynthesizer Vの知名度がものすごく高くなり、紹介は不要かもしれませんが、どんな人が作ったソフトなのかの紹介をします。

Synthesizer Vは、Dreamtonics社の代表取締役である開発者のカンル・フアさんによって開発されています。

開発者のカンル・フア(Kanru Hua)さんは、小学2年生からFLASHでゲームなどを作っていました。中学2年生のころ初音ミクにはまり、中国版を作ってみたいと思いVB.netを始めました。

高校時代に膨大な音声合成に関する論文を読みあさり、アメリカの大学に留学したりして実力をつけてきました。

ボーカロイド文化のある日本のヤマハにインターンとして来日し浜松の人たちとの交流から日本が気に入りました。AHSの尾形友秀代表(現会長)に販売プロモーション業務を完全委託する形で、日本で開発に専念している方です。

歌声合成ソフトウェア SynthesizerVユーザーズガイド (三才ムック)(Amazon) インタビューより

技術を追求したい開発者として理想的な環境にあり、資金も人脈もある方が作っているソフトです。

自身が代表を務めているため、大きな組織につきまとう新技術の導入に対する社内会議や根回しや販売戦略室からの実装延長要請に加えて、他の開発者からの足の引っ張り合いもないため、自由なソフトです。

ニュースリリースには、Synthesizer Vの第2世代としてVer.1.0.0が登場し、Ver.1.2.0が第3世代、Ver.1.4.0が第5世代という表記があり、新技術により大幅な変更がされてきました。

FL-Studioなど一回購入すれば一生涯無償アップデートがされるライフタイムアップデートライセンスと明記はしていませんが、今のところ無償で大幅アップデートが続いています。

2023年10月頃、ラップ対応に加えて、RLHF(Reinforcement Learning from Human)という、人間のフィードバックからの強化学習が入る強力なバージョンアップがありました。

2023年頃までは独走状態でしたが、2024年になり、他社も歌声の生々しさという点では、ようやく追いついてきた感じがしています。

今後も精力的にSynthesizer Vの発展と歌声データベースのメンテナンスが続いて行ってくれたらいいなぁと願っています。