ソースネクストのAcrobat代替候補ソフト「いきなりPDF」について、一太郎のジャストシステムによるJUST PDF 5 Proとの違いや選び方などを紹介しています。
「いきなりPDF Ver.10」は、2022年11月2日に発売されました。記事はVer.9を元に書かれております。
いきなりPDF Ver.10シリーズからは、Ver.9シリーズにあったBASIC版がなくなり、COMPLETE版とSTANDARD版の2つになりました。
Ver.10シリーズの登場と同時に、新たにラインアップに加わった「いきなりPDF EX」は、Foxit社が提供する「Foxit PDF Editor Pro」を改題した商品で、Ver.9までの「いきなりPDF」シリーズとは全く別のソフトです。
EXはポートフォリオPDFの作成など複雑なことができますが、操作の簡単さから行くと「いきなりPDF」の方がわかりやすい感じがします。
記事内にて「JUST PDF 5 Pro」にも搭載されているポートフォリオ機能については、実ファイル付きで詳しく紹介しています。
「いきなりPDF」とは
ソースネクストの「いきなりPDF」は、名前の通り色々な物をPDFに変換するソフトです。また、PDFをExcelやWordに変換する機能もあります。
立場的にはAdobe Acrobat DCの代替というかPDFを作成編集するという点で互換ソフトです。
以前の「いきなりPDF」で懲りた方もそこそこいるように思います。
たしかに2010年頃は、バグというか強制終了で使いにくくだめなソフトでした。
パソコンが不安定になるため避けていたのですが、セール価格につられて購入したVer8を使ってみたところ、強制終了などの致命的なバグはなくなり、普通に使えるようになりました。
Ver9も安定しており、今のところ全く不都合がないためVer10にはアップデートしていませんん。
無料版のAdobe Acrobat Readerを購入直後のパソコンに入れることが多かったのですが、すぐにいきなりPDFに付属する、いきなりPDFシンプルビュアーの方がプレビューを含めて軽く表示されるため、最近すごく重宝しています。
PDFとは
PDFは、どのパソコンからでも同じ印刷結果を画面で表示確認する事ができ、どのプリンターや印刷機でもおなじ印刷結果になる画期的なファイル規格として誕生しました。
開発したのは、IllustratorやPhotoshopといった商用印刷デザインソフトの開拓者として始まり、現在もクリエイティブ業界標準としてトップランナーを維持しているAdobe社です。
PDFファイルの作り方は当時から変わらず、印刷機能があるアプリケーションから接続したプリンターではなく、「仮想プリンターのAcrobat」に設定することで、どんなソフトからも印刷結果と同じPDFを出力することができました。
Windows95時代から、あらゆるソフトのインストールディスクや雑誌の付属CDを通じて無料で配布されていた閲覧ソフトの「Adobe Acrobat Reader」は、PDFで作られたマニュアルの閲覧ソフトとして、ほとんどのメーカーパソコンに最初からインストールされていました。
画面上でも紙カタログと同じ表現ができ、多くのパソコンで閲覧できることから重宝されましたが、1990年代後半までPDFを作るには高額なAdobeの「Acrobat」を利用するしかありませんでした。
現在では、PDFファイルのフォーマット仕様が公開されており、Windows7ごろから「Microsoft Print to PDF」という機能がWindowsの標準機能として搭載されるようになりました。
Mac OSにもプリント時に「PDFで出力」という機能が付いています。
Adobe Acrobat DCとの違い
表示ソフトのAdobe Acrobat Reder DCには、新機能や、Adobe社の主力ソフトであるIllustratorやPhotoshopに追加された新機能のファイル形式対応など、独自機能が搭載され続けています。
「いきなりPDF」は毎年約1万8千円のサブスクリプション契約のみになったAdobe Acrobat Pro DCと比べると、レイヤー機能やフォーム機能は出力されるファイルサイズなど、機能比較表には現れない細かなところで差があります。
Acrobat DCで搭載された新機能を効率的に表示するための、独自のデータ構造などは公開されていません。そのため、互換ソフトでは公開されている規格を元に合わせる必要があります。
カタログスペック上での機能文では同じだけど実際は違う事が起こります。
Acrobat DCがなぜ高額で動作が重いのか
Acrobat DCは業務用途としての印刷所への入稿用データの作成や、Adobeのクラウドサービスと連動したアンケート集計やデータ送付など色々な機能やサービスが付随するため、ソフト代金と共に動作も重くなっています。
「いきなりPDF」は、印刷業界標準ではないため、商用印刷のようにクライアントや多額のプロジェクト費用などとは無縁です。
そのため、厳密なデーター補償や編集機能を提供しない代わりに、軽い動作と、ソフトの金額に差があります。
またAcrobatはガチで広告代理店や出版業界で業務用として使われるInDesignやPhotoshopなどから出力するのが前提になっており、Adobe Creative Cloudというワンパッケージサブスクリプションの一部の商品になっています。
例えば、AcrobatはAdobeソフトの対応の機能というところもありますが、印刷機のシルク印刷などに厳密に対応するためのデーター形式にも対応しています。
逆にいうと、表示や印刷結果に厳密さが必要な商用印刷に加えて暗号化など高度な機能などを業務用途に使わないのであれば、互換ソフトの「いきなりPDF」でもまったく問題はありません。
「いきなりPDF」についての前知識
元々、AcrobatはPDFでイラストや文章を創造するソフトではなく、印刷用データに付随する形で校正確認や墨消しや指示の連絡機能が追加されてきたソフトです。
そのため、デザインソフトやワープロソフトとしてみるとパッとしないソフトです。
PDFそのものがそう言う存在のため「いきなりPDF」もワープロソフトのような物を作るソフトではありません。
編集機能は定額サービスのAdobe CCで使えるIllustratorやPhotoshopや製本用のInDesignからの原本データの編集を想定しています。
互換ソフトでの編集機能は、あくまでデザイナーへの校正指示や修正提案などの添付を目的とした機能を使っているため、印刷原本の修正目的にはなりません。
一方で「いきなりPDF」の方がAcrobatよりも、PDFファイルのページ順序などを編集するという点でサムネル表示でのページの差し替えや抜き出しなど、使い勝手が良くなっています。
「いきなりPDF」の競合について
いきなりPDF以外にも互換ソフトは色々あり価格帯や機能面という点で、一太郎2022プレミアムなどに同梱されているJUST PDFが実質的な競合になります。
競合との差は殆どないため、際立ったメリットはあまりないのですが、JUST PDFよりも、いきなりPDFの方が、「さよなら手書き 8 Pro」などとシステムの共通化がされている関係なのか安定性や、操作性といった、機能表にあられない、使いやすさや分かりやすさは、上だと僕は感じています。
ソースネクストは創業時は全てのソフトを1980円均一で提供すると誕生したメーカーなので、単機能で軽いソフトは得意です。いきなりPDFも長く開発が続いてきたソフトなので、細かな使い勝手の面で、こなれてきています。
毎年バージョンが上がってるけど長く使えるの?
ソースネクストのその他のソフトと同様に、いきなりPDFも毎年少しずつ機能が追加される形でバージョンが上がっています。毎年微妙な新機能やパッケージと型番が変わる家電とおなじような感じです。
すでにソフトの基本機能は熟成しているため、上位機能が下位バージョンに追加されたりといった、劇的なパワーアップは考えにくいです。
ソースネクストの公式サポートはサポート終了製品のご案内にある通り、原則として販売終了後1年間しか保守サポートをしないと明記されてます。
一方で、改善案も一通り出尽くした感があり、重大なセキュリティホールなどが見つからない限りVer.9もVer.10もWindows11にも対応しているので、長く使えそうです。
僕は毎年更新しなくても良いかなと思い、いきなりPDFのバリュープランには入っていません。
電子署名とタイムスタンプ機能
個人でタイムスタンプを使うときに気になる費用と、電子証明書についてですが、あまり使うケースはないような気がします。
タイムスタンプの価格
タイムスタンプ機能については、仕組み上維持費がかかるため、月額5,000円から1万円かかります。価格比較で軽く調査しましたが、法人契約での交渉価格で大きく変わるため料金を公表していないケースが多いです。
個人向けサービスですが、約6000円の導入費の他、管理費などを含めて月額8,800円程度かかります。
個人利用でタイムスタンプが必要になるケースですが、個人事業主などの電子保存だとおもいます。税法上の電子記録では、簿記で使う領収書や帳簿保存時のタイムスタンプの付与という条件がありました。
ただし、要件が緩和され、改ざんができない仕組みがあれば、タイムスタンプは必要なくなりました。
といっても、TKC等の外部会計監査やクラウド会計サービスなど、後から日付を改ざんできない第三者のシステムの導入をしないと、やはりタイムスタンプが必要になるようです。
商業登記認証局の電子証明書
これ、個人向けで紹介する必要があるのか?と思いましたが、企業の方も見ている可能性があるので商業登記電子証明書を紹介します。
商業登記電子証明書の一番短い証明期間として1300円で有効期間が3ヶ月単位があります。4回更新により年額5,200円で利用する事ができます。
2ヶ月+7日間の帳簿利用の流用を考えると、証明期間を重ねて5回更新すると7,500円になります(あまり意味がなさそうですが、民間のタイムスタンプサービスの価格基準になっているかもしれません)。
電子署名から会社実印と同じ効力があり商業登記を確認することができます。
ファイル方式の鍵のため信頼できるPDFソフトが求められます。ソースネクストのソフトなら大丈夫かな。。。
マイナンバーカードの電子証明書
カードリーダーを利用することで、税金で運用されているマイナンバーカードに入っている電子証明書でも、電子署名をする事ができます。
ただし、マイナンバーカードで電子署名をすると、発行者名(地方公共団体情報システム機構)と、「住所、氏名、生年月日、性別」に加えて、発行年月日と有効期間の満了日が記録されます。
普通に電子署名されたデータを閲覧するだけでは分かりませんが、地方公共団体情報システム機構のPKI利用者ソフトを利用することで、手間はかかりますが電子署名の内容が見えてしまいます。
マイナンバーカードの電子証明書では、署名時点の時間は保証できませんが、署名した後の改ざん検知はできます。
有効期間が5年間のマイナンバーカードの電子署名を更新することで、更新前の5年間の間に存在していたことは保証できます。。。???。
とはいっても、マイナンバーを利用した申請先のe-TAXなどの行政サービスでは専用ソフトでの署名になるため、あまり署名する機会はないと思います。
ただ、電子証明書そのものがマイナンバーカードに保存されており、署名には毎回カードリーダーによる読み込みと暗証番号の入力が必要なので鍵管理は楽です。
定額自動更新のバリュープラン(再開しました)
ソースネクストにはバージョンアップ版という商品はなく、新バージョンが発売されると新たに買い直す必要があります。
そこで登場したのが、プロ版やコンプリート版といった最上位版だけが提供されてるバリュープラン(アップデートプラン)でした。
2023年1月頃に、販売が停止していましたが、再開しました。
バリュープランは、ソフトごとにプラン価格が異なり、2023年時点で「いきなりPDF コンプリート版 Ver11」の自動更新価格は2,980円(2022年価格の1,980円から値上がりしました)です。
実質的には年次払いのサブスクリプション的なところがありますが、更新は新商品の販売日ごとになり、新しいソフトに交換しますよというサービスなので少し違います。
バリュープラン版と通常版の違いは、次回発売日にクレジット自動的に支払いが行われるアップデートにかかる金額があらかじめ決まっているだけです。
バリュープランで購入すると、シリアル番号は変わらずバージョンアップのたびに、会員情報にある、お持ちの製品一覧の一番上に表示されるため、わかりやすくなっています。
バリュープランの次回更新予定日の確認とキャンセル方法
バリュープランのキャンセルは会員の購入ソフトを管理できるマイページの所持ソフト内の設定から、新バージョン発売前日までならいつでも簡単にできます。
バリュープランで購入すると通常版とは別の名前となり、お持ちのソフト一覧にある、アイコンや製品名に「いきなりPDF COMPLETE版 バージョンアッププラン(バリュープラン)」と表示されます。
シリアル番号やダウンロードができるマイページ画面に、次のバージョンアップ版の発売予定日と、更新価格が表示されています。
キャンセル後の再加入には再度バリュープランで新規購入が必要になります。
2022年時点でいきなりPDFVer9のバリュープランの更新価格は1,980円でしたが、2023年に再開したいきなりPDF Ver.10のバリュープランは、2,980円に値上がりしたようです。
現在の最新情報は公式サイトのいきなりPDF Ver.10 COMPLETEの「バリュープラント」とはをご確認ください。
Ver9の時に加入していないためわかりませんが、加入中であれば価格改定がされていない可能性があります。
バリュープランキープがお勧め
セールになると通常版よりもバリュープランの方が安く販売されていました。
価格だけ見ると、今までの使い勝手を維持しているいきなりPDFシリーズでは、通常版のコンプリート版より若干値段が安いバリュープランのコンプリート版を購入し、次回は2,980円で更新するか、途中キャンセルをして、いきなりPDFコンプリート版を長く使うのが良いような気がします。と紹介してきました。
あくまで僕の感覚ですが、毎年更新される、「いきなりPDF」や「B’s Recorderシリーズ」や「さよなら手書きシリーズ」に「ピタリ四角 」を見ていると感覚的には、3回ほどバージョンが変わると、前バージョンとの違いが出てくるような気がします。3回分の更新を続けるつもりでバリュープランで購入するのがお得かもしれません。
Ver.10からバリュープランが登場したので、まだバリュープラン自動更新はありません。いつものバージョンアップを見ていると、ほとんど機能が変わらないのに2,980円でもバージョンアップする意味があるのかと、悩ましいところです。
ソースネクストも全体的に価格帯を上げてきているようなので、コンプリート版が5000円台でセールになれば、Ver12かVer13で買い換えるのも手だと思います(2000円OFFクーポンセールなどあり得る価格帯です)。
ということで、2023年のセール価格の推移を見ながら、とりあえずキープが良いかなと僕は見ています。
3種類ある「いきなりPDF」のどれを選べばいいの?
「いきなりPDF」の公式サイトにある比較表にあるとおり、StandardとCompleteの2種類と新たにEX版ががあります。Complete版が全部入りで、安い方バージョンから順番に機能が追加されていきます。
Ver9まであったStandard版のExcelやWordから出力されたPDFを、ExcelやWordデータに変換された機能が省かれ安価だった、Basic版のラインアップはVer10からなくなりました。
今回新たに、Foxit社が提供する「Foxit PDF Editor Pro」を改題した「いきなりPDF EX版」が登場しました。こちらは、Ver9までの「いきなりPDFシリーズ」とは別商品です。
EX版はAmazonの電子書籍サービスKindleの端末にも採用されているPDF表示エンジンが採用されています。商用レベルなので暗号化や電子署名機能などが構造的に堅牢だとおもわれます。
PDFの作成はWindows10の標準機能で可能
PDFの作成だけであれば、「いきなりPDF」を使わなくても、Windows 10の標準機能で印刷画面のプリンター一覧から「Microsoft Print to PDF」を選択して作成することができます。
その他のソフトでもPDFで出力・保存するボタンがあるケースがほとんどです。
BASIC版(Ver10にはありません)
2022年に発売されたVer10からはラインアップからなくなりましたが、BASIC版は、PDFファイル内のページの差し替えや追加など基本的な操作はBASICでほとんど対応できます。
もちろん、ページの回転やPDFの閲覧制限や暗号化に加えて「しおり」の追加もなど基本的な設定は全てできます。さらに、印鑑画像の作成と挿入まで出来ます。
ただし、表示印刷範囲を変更するトリミング機能だけは最上位のCOMPLETE版にしかできません。これはBASICに含まれてもおかしくない機能ですが、そういうことになっています。
STANDARD版
STANDARD版にはBASIC版に加えて、PDFで送られてきた見積書などをExcelなどに変更する機能が含まれています。
変換対象のPDFが、WordやExcelでシンプルに作られている物はうまく変換できますが、無理やりというか代替機能などで作られていると上手くいかない事が多いので、あまり期待しない方がいいと、個人的には思います。
COMPLETE版
COMPLETE版にはSTANDARDの機能に加えて、スキャナなどで取り込んだPDFを画質劣化させずに表示印刷域のトリミングする機能が含まれています。
墨消しやテキストの変更などの編集機能も含まれています。更に、マウスやタッチパッド入力による手書きのサインを追加するするのも、こちらのバージョンが必要になります。
電子著名機能については、Acrobatと同様に、電子署名などは有料の電子署名が別途必要になるため、あまり使わないかもしれません。
Ver10からは、タイムスタンプ機能が追加されます。こちらは現時点では搭載されておらず2023年2月頃に配信による機能実装が予定されてます。
詳しくは「いきなりPDF」の公式サイトに画像付きで紹介されています。
EX版
EX版は、Ver9までの「いきなりPDFシリーズ」とは別物であり、Foxit社が提供する「Foxit PDF Editor Pro」を改題した商品です。
ソースネクストの改題商品は、早いPDFやWi-Fiセキュリティーと同じで、中身が同じになっています。購入するとFoxit PDF Editor Proとして動く可能性が非常に高いです。
またVor10といったバージョン番号はなく、紹介ページも分かれています。製品マニュアルのダウンロードや詳細案内は「いきなりPDF EX Powered by Foxit」から閲覧する事ができます。
「Foxit PDF Editor Pro」のPDF表示エンジンはAmazonのKindle端末にも利用されているグローバルなソフトです。
使ったことはありませんが、EX版だけで使える「PDFポートフォリオ機能」は、「JUST PDF 5 Pro」にも搭載されており、電子署名の次によく使っている機能が搭載されています。
いきなりPDF EXだけにあるPDFポートフォリオ機能
PDFポートフォリオ機能は、必要ファイルをPDFファイルにまとめることができる機能です。
PDFポートフォリオ機能はAdobe Acrobat Reader専用の機能になり、MacOSの標準プレビューでは開くことができませんが、PDFポートフォリオの方が、添付ファイルのプレビュー機能もあり、気付かれにくい添付ファイルよりわかりやすくなっています。
2022年11月に登場した「いきなりPDF EX Powered by Foxit」で使える、PDFポートフォリオ機能について実例をつかって紹介します(いきなりPDF Ver.10 COMPLETEでは使えません)。
通常のPDF添付機能では、添付されていることに気付かないことがよく起こります。PDFポートフォリオ機能を使うと、添付や取り出しが非常にわかりやすくなります。
僕は主にPDFポートフォリオ機能を、提出PDFと作成に使った原稿WordやExcelなど資料一式をまとめる為に使っています(100MBを超えるような大きなファイルは入れない方が良いです)。
僕がはじめて「PDFポートフォリオ」の機能紹介をカタログで見た時に、EX以外のいきなりPDFでも使える「PDFの添付機能」との違いがピンとこないとこなかったので、サンプルファイルを「JUST PDF 5 Pro」を使い作成しました。
実際には様々なファイルを添付できますが、サンプルとして、「PDFファイル」と、「テキスト(TXT形式)のファイル」をパッケージしています。
PDFポートフォリオ機能はAdobe Acrobat Reader専用の機能になり、MacOSの標準プレビューでは開くことができませんが、PDFポートフォリオの方が、添付ファイルのプレビュー機能もあり、気付かれにくい添付ファイルよりわかりやすくなっています。
EX版だけに入ったPDFポートフォリオ機能の使い所
Adobe Readerは、ほとんどのWindowsパソコンに入っているので、サンプルでは設定していませんが、送付の際もPDFにパスワード設定や電子署名ができるため、パスワード付きZPI圧縮より安全にメールに添付して送ることができます。
こういった機能なので、EXは個人ユースではなく、商店や個人事業主などの事業として使うのであれば、ソースネクストの従来からある「いきなりPDF」より「いきなりPDF EX Powered by Foxit」の方が、役立ちそうです。
結局どれが良いか
いきなりPDFは、PDFの差し替えや順序の入れ替えなどの編集が他のソフトよりもわかりやすく使いやすかったので、価格が安いBASIC版が一番良いような気がしていました。
高機能のため、いきなりPDFシリーズより若干使いにくいところがありますが、本格的にPDFを使うのであれば、「いきなりPDF EX Powered by Foxit」の方が良いと思います。
BASIC版がなくなり、ラインアップ上では一番安くなったスタンダード版ですが、割引セールでも割引率が低く、搭載されているWordやExcelのデータ変換はあまり実用的ではないので僕は使っていません。
SDカードやUSBメモリーに直接保存できるハードウェアPDF出力機能がある複合プリンターに付いているスキャナー機能をよく利用するケースでは、コンプリート版がお勧めです。
EPSON複合プリンタのハードウェアPDF出力の方が、パソコン上でスキャンするよりもファイルサイズが小さく綺麗なので僕は愛用してます。
コンプリート版にしか入っていないトリミング機能は、読み取ったPDFを、画像の再圧縮をせず、そのままのファイルサイズでトリミングでき便利です。
AcrobatもJUST PDF 5もトリミングでPDFファイルサイズは小さくなりません。
ソースネクストの「いきなりPDFシリーズ」の割引販売は特設ページではなく通常の販売ページで行われることが多いですが、特設ページで販売されることもあるためページ一番下の割引情報にまとめています。
Acrobat Pro本家が入っていても「いきなりPDF」を入れる価値があった
本家のAdobe Acrobat Proは、Windows XPの頃からWindows11の現在に至るまで、時々起動しなくなったりメニューバーが消えたり色々変なバグがあります。しかも普通に再インストールしても復旧しない厄介なバグです。
それ以前に、Adobe Acrobat Pro並に色々な事が有償でできるようになった無償版のAdobe Acrobat Readerが重すぎます。開いて確認するだけなら「いきなりPDF シンプルビュアー」が便利だと今一番使っています。
Adobe Acrobatを利用していても、ページ入れ替えなどサクッと作業したい時には「いきなりPDF」も便利かなと、最近感じています。便利というより、こないだ助けられました。
緊急時にフリーの怪しいソフトを入れるよりは、一本入れておくと安心です。
単体販売でもほしい、いきなりPDF シンプルビュアー
パソコンを新しくするとき、とりあえず、無償版のAdobe Acrobat Readerを入れていました。なんだかんだ言って、Acrobat ReaderはディスプレイのDPIを設定ができたりと表示が綺麗だからです。
以前からそうでしたが、Adobe Acrobat Readerがますます重くなり、もはやAcrobat Proと変わらない感じがします。
その点、いきなりPDFシリーズに入っている、いきなりPDFシンプルビュアーは、起動が速いです。
バージョンアップが有償だった頃のWindows7と比べると、Windows11はかなり重たいアプリになっています。
Windows11のPDFプレビューを高速化
フォルダ内のPDFファイルの中身を軽くチェックするときマウス選択やカーソル下キーでパッパッパッとチェックしたいとき、Windows7に比べてWindows11のエクスプローラのプレビュー表示は明らかに遅くなってなっています。
Windowsのプレビューには不満点が複数あり、エクスプローラで表示しているだけなのに、ファイルを開いているため保存できませんなどと、ストレスマックスです(Windows7の時もそうでした)。パスワードをつけたExcelファイルを選択すると、Excelが開いて解除しろと出るのも迷惑な仕様です。
そもそも、情報漏洩して困るからパスワードを入れているのに、プレビュー用のキャッシュは安全なのか?と何でもかんでも覗きたがるWindows11には不安が募ります。
通常起動だけでなく、プレビュー機能も関連付けされたソフトが利用されるのかもしれません。Windows11の新AIサービス機能で勝手に内部解析でもしているのではと勘ぐってしまうほどです。
良くも悪くも、Windowsでは関連付けしたアプリが内部で使われるため、既定のアプリをシンプルビュアーに設定するだけで、余計なことをせず表示される可能性が高いです。
Windows11の既定のアプリを軽いアプリに指定する
以前のWindows7の快適さに戻るために、ファイルのコピーや複製や閲覧など基本的なプレビュー機能だけでも早くしたいです。個人的にはWindows7はMaicrosoftで一番優秀で多くの利用者に愛されたOSだと思います。
Windows11なら、右クリックのベロから「プログラムから開く」から起動アプリを選択できるため、いきなりPDF シンプルビューアーを、既定のアプリに指定することで、気のせいかもしれませんが若干早くなります。
設定方法は、Windowsの設定やスタートパネルにある検索に「既定のアプリ」と入力することで、既定のアプリ設定を開きます。
次に、PDFを開くことができるAcrobatやいきなりPDFを選択します。
最後に、その中に表示されている、拡張子PDFをクリックして、シンプルビュアーを選択することで切り替えることができます。
ダブルクリックしたときに起動するソフトがシンプルビュアーに切り替わるため、若干不便になりますが、PDFファイルを開くときに、「プログラムから開く」で「いきなりPDF」や「Acrobat」などソフトを選択する事で起動できるため改善はできます。
シンプルビューアーはCtrl+Wで閉じると早い
いきなりPDFシリーズに入っている、シンプルビュアーには弱点があり、フルスクリーン(最大化)でしかPDFを確認できません。Ver9限定でVer10は改善している可能性があります。
見比べたいときなど全画面表示は不便ですが、シンプルビューアーの起動は速いため、「Enterキー」やダブルクリックで起動して、「Ctrl+W」や「Alt + F4」でサクサク閉じて確認して行っています。
一部のアプリは「Ctrl+W」に対応していないため、Windows95から受け継がれたアプリの強制終了ショートカットの名残である「Alt + F4」キーを、マクロ登録ができるキーボードやガジェットなどに登録して利用しています。
いきなりPDFシンプルビューア以外のアプリでも、ウィンドウを閉じやすくすると、快適になります。
以前ほどPDFは安全ではなくなっている
閲覧するだけで感染するマルウェアですが、以前はMicrosoft Officeのマクロ機能を利用することで感染するケースが多くあります。
マクロ機能をOFFにしているユーザーが増えたため、最近では、JavaScriptを利用して「WasabiSeed」というプログラム(マルウェア)をダウンロードし、「Screenshotter」などのスクリーンショットを自動送信するマルウェアによって、人がターゲットを選ぶ手の込んだ攻撃が増えつつあると、日経NETWORK(2023年4月号)という専門雑誌に書いてありました。
JavaScriptを直接埋め込まなくても、JavaScriptのダウンロードリンク(URL)を使っているので、メールやWordやPDFなどリンク機能が使えるソフトなら何でも危険になります。
Adobe AcrobatからJavaScriptリンクなどを無効化するなど対策はありますが、色々な機能があることで脆弱性が高くなっています。
Adobe Acrobatの方が、セキュリティメンテナンスに信頼性が高く安心ではありますが、重すぎるのが難点です。
ちゃんとセキュリティメンテナンス(更新)がされたうえで、ハッカーにとってできることが少ない、シンプルなビュアーを使う方が安全だと思います。
競合製品のジャストシステムのJUST PDF 5 Proとの違い
EX版が登場するまで、いきなりPDFシリーズの実質的な競合として、ジャストシステムのJUST PDF 5 Pro(Pro版は一太郎プラチナ2022には入っていません)があります。
全部入りの「いきなりPDF」と同様にテキストの直接変更などできることや、互換ソフト特有のAdobeオリジナルとの違いはほぼ同じです。
OCRに使っている文字認証エンジンなど、昔からソースネクストがジャストシステムに開発委託をしているのでは勘ぐれるぐらい似ている競合ソフトに見えます。
電子署名なら一太郎のジャストシステム JUST PDF Proがお勧め
電子署名に関する機能であれば、一太郎のジャストシステムによる、JUST PDF5Proの方が、使い勝手がいいと僕は思います。
JUST PDFは印鑑イメージの挿入(電子捺印)とともに電子著名まで連動してできます。
JUST PDF 5 Proには、ICカードによる署名付与と検証に、GPKI 官職証明書、LGPKI 職責証明書がつかえるなど採用実績が公開されている警察署などの行政機関よりのソフトになっています。
検察庁など裁判と直結するセキュアな情報を取り扱う部署でも使われていることが予想されるため、若干ソフトウェアに対する安心感はあります。
サポート期間の長さ
つい最近(22年8月)JUST PDF Pro 5では、「墨消し」で選択したデータの一部が削除されないという致命的すぎるバグや、削除したプロパティ情報がAdobe Acrobatで表示される問題といった修正がありました。
どうしてもソフトウェアなので、時々とんでもないバグが発見される事があります。
ソースネクストの公式サポートはサポート終了製品のご案内にある通り、原則として販売終了後1年間しかサポートしないと明記されてます。
JUST PDFの製品補償サイクルは5年間と長いため、毎年バージョンアップする「いきなりPDF」よりは保守期間の面では有利です。
互換ソフトではレイヤー構造機能などはAcrobatとの差が大きい
「いきなりPDF」もJUST PDFも互換ソフトなので、オリジナルのAcrobatよりは色々な面で不利です。
例えば、JUST PDF Pro5では特に、レイヤー構造や画像文字を検索したり選択できるようにするOCR対応のファイルに変換出力するとAdobe Acrobatで出力するファイルよりもサイズがとても大きくなる傾向があります。
この辺はAdobeの独自拡張で、互換ソフトが対応できないIllustratorと同様に全ての規格が公開されていないため無理矢理機能実装をさせている影響か、Acrobatでは互換ソフトとは根本的に違う複雑な組み替え処理をしている可能性があります。
Adobe社にしてみれば自社のAcrobat Readerで綺麗に表示させれば良いので、自社に有利な独自拡張は自在にできます。
Acrobatとは細かい機能の違いはある
ちなみに僕はJUST PDF Pro 5を主に利用しています。ページ内で表示非表示の切り替えができるレイヤー機能を使いたくて購入したのですが、まさかのPDFを重ねて切り替えるような荒技での機能実現でした。
JUST PDF Pro 5では、画像の文字選択と検索に対応させるOCR機能と、レイヤー機能を利用するとファイルサイズが異常に大きくなります。
どうしても、IllustratorやPhotoshopと連動するAcrobatの方が断然使い勝手が良いです(当然かもしれません)。
違いがある事を知って割り切って購入した方がいいと思ったので、ソフトを販売する方から見ると、不都合な真実ですが掲載しました。
ちなみにホビー三昧Dはソースネクストの商品を紹介し購入してもらえることで収入が得られるアフェリエイト関係にあります。
結局「いきなりPDF」と「JUST PDF Pro5」とどっちがいいの?
機能的やAdobeから公開されているPDF仕様も同じなので、どちらを選ぶかは、あとはお好みという感じがします。
どちらも、エクスプローラーでファイルやフォルダなどを選択してから右クリックして、コンテキストメニューの[送る]で一括変換できます。
JUST PDF Pro5を使っている僕から見ると、PDFファイルのページの入れ替えは「いきなりPDF」の方が、一括変換画面などでも、プレビュー機能がついていたりするので、優れている気がします。
電子署名などを運用している企業での業務用途であれば、JUST PDF Pro5の方が使い勝手がいいと思います。ジャストシステムは、お問い合わせの電話で担当部署につながればサポート対応をしっかりしてくれます。
最後は、ややっぱり、値段ということになるかもしれません。「いきなりPDF」の方が割引セールなどが多いので、安いです。
割引情報
「いきなりPDF」の現在と直近の割引情報です。気付いたセール情報を一元的に紹介している「ホビー三昧Dが気がついた今開催中のセール情報」との連動機能を利用しているため、ちょっと文脈がおかしくなっているかもしれませんが、大目に見てください。
「いきなりPDF Ver.10」割引情報
ソースネクストのPDFソフトであるいきなりPDFシリーズの最新版は、2022年11月2日にバージョンアップしたVer.10です。
最新版のVer10からは、Ver.9まであった低価格のBASIC版がなくなりました。そのかわり「いきなりPDF EX Powered by Foxit」という製品が登場しました。
いきなりPDF Ver.10シリーズの買い切り版の標準価格は、COMPLETE版の通常版は9,900円、STANDARD版は3,900円です。いきなりPDF EX版(EX Powered by Foxit)の標準価格18,590円です。
5月25日(木)まで「いきなりPDF Ver.10」シリーズのCOMPLETE版が7,900円に割引中です。STANDARD版は200円割り引かれ3,900円で販売されています。
23年1月頃から一時販売が停止していたCOMPLETE版のバリュープランが再開しました。バリュープランはVer11の発売日に2,980円で自動更新されるプランです。自動更新の解約はマイページの製品情報からいつでも簡単に解約できます。
現在、いきなりPDF EX版(EX Powered by Foxit)はセール対象になっていません。
最新のリストは「ホビー三昧Dが気がついた今開催中のセール情報」で気づき次第追記公開しています。