先日、Dellから新商品の32インチ4k ISP液晶パネル144Hz対応品が7万円以下で売られているのを発見し、キャンセル可能なことだけ確認してから速攻で注文した直後に速報記事を公開しました。
(記事:7万円以下で注文できた DELL 4K 144Hz IPS 32インチ G3223Q)
まさかの発売日から6日後に、発売直後の特別割引価格が終了するとは思ってもいませんでした。新商品の特別割引がまた来ると思うので、そのときのためにDellの傾向を書いておこうかと思います。
Dellの発売直後の割引セール
今回僕が、速攻で注文できたには訳があります。それは前回Dellから同じタイプの32インチIPS液晶が新商品割引で販売されているのに気づいた時のことです。
ノーチェックの新商品だったので購入検討してからと、じっくり調べているうちに、価格が通常価格に戻り、買っとけば良かったと思いました。
発売6日後に終わったG3223Qの特別割引ケース
今回は、購入を考えていた60Hz対応ではなく、他社製では15万円台の144Hz対応品が、7万円以下と信じられない価格だったので、急いでDELLの注文カートに入れました。
とはいえ予算が1万円ほどオーバーしていたので、念のためにDellサポートチャットで注文後キャンセルができるか確認してから注文確定をしました。
これは僕みたいに待っている人には絶対に有用な情報だと、直ぐに速報記事を公開したのが3月13日の午後3時ごろです。
夜ゆっくり、この商品はなぜ安いのだろうか?本当に必要?キャンセルどうしよう?などと、考えながら速報記事の追記更新をしました。翌日の14日月曜には納期が1ヶ月延び6月中頃になっているのを確認しました。
そして本日17日に確認しに行ったら、特別価格値引きが終了し4万円ほど値段が上がっていました。
4月には春の特別スペシャルプロモーションによる30%OFFクーポンも終わり、納期も7月以降になっていそうな気もするので、15万円ほどでの注文受け付けになりそうな気がします。
受注生産で売れ残り品セールは必要ない
HPもDELLもパソコン系の大半が受注生産で、在庫あり品がほとんどなく、モデルチェンジによる値下がりは期待できません。
キャンセルなどで発生した在庫が十数台程度の少量の場合、普段売れなくても売れるときには一気に売れる事がありDell直販サイトで取り扱うには少なすぎます。そういうときに便利なのが、Amazon販売サイトです。
時々AmazonでDell販売価格より安いことがありますが一瞬で売り切れます。特別タイムセールなどのセールも時にはありますが、Amazonの欲しいものリストに入れておいたDellの32インチモデルは、見送った発売直後の特別割引価格より高額でした。
Amazonでも通常は在庫切れ状態だったりDellの直売と価格差が近く、市場在庫は少ないのではないかと感じています。
Dell商品ページのAmazon在庫などを見ていると、そんな風にDellがAmazonを利用しているのではないかと思ったことがあります。
利用しているだけではなくDELL製品はタイムセールで目玉商品になり得るためAmazonも時々安く大量に発注をすることでお互い良好な関係があるような気がします。
そうなると、在庫処分セールをする必要がないため、Dellで新商品が出たときの発売直後プロモーションのような特別値引き価格で買うのが一番安いのではないかとおもいます。
その後の割引終了は釣り針効果?
今回即効で注文しましたが、売り切れる前にとりあえず押さえておこう的な、キャンセル因子がかなり含まれている気がします。ここでは、購入者視点ではなく販売サイドの視点で考えてみました。
Dellの通販はクーリングオフの対象ではなかったと思うのですが、契約書面を受け取ってから8日目までがクーリングオフの期間と定まっています。クーリングオフの説明を引用しておきます。
クーリング・オフ制度とは、消費者が訪問販売などの特定の取引で商品やサービスを契約した後で、冷静になって 考え直して「契約をやめたい」と思ったら、一定期間であれば理由を問わず、一方的 に申し込みの撤回または契約の解除できる制度です。
引用:公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会
長く割引価格を表示せず、多くの一般消費者が「やっぱりいらなかったかも」と冷静に思えるタイミングになる期間に、割引価格を終了することで、確実に、キャンセルを回避させる釣り針作戦かもしれません。
そもそも、値段につられて引っかかったのだから、今キャンセルしたら損するかも。と思えて、キャンセルをとどまる可能性はあります。だって、安くなかったら買わないのだから。
ギリギリまで粘った5日目での値上がりは、そういった、多分僕みたいなタイプには有効な、販売戦術なのかもしれないと。。。勝手に想像してみました。
いや、ただ単に、販売予定数をクリアしたからこのタイミングなのかもしれません。
Dellの割引直後販売戦略について考察してみる
Dellの販売促進費という視点から、書いていこうと思います。
アフィリエイターについて
少し話が飛びますが最初に、商品紹介による販売で報酬を得るアフィリエイターの存在について書いておこうと思います。
今回のG3223Qクラスの液晶モニターが特別割引価格で7万円以下というのは、僕にとってスゴすぎる状態だと速報記事として公開しました。
しかし、すでに2日前の11日に発売されており、Google検索には多くの「速報」といった見出しで紹介のアフィリエイト記事が乱立していました。
えっ、古かった?とか思ってしまいましたが、まぁ、この価格は、多くの人にとって魅力的な価格ということなので、十分理解できます。
アフィリエイトは広告業と違い報酬は売れた後に発生します。そのため、自分が売れると思わなければ記事は書きません。
更に、僕自身は、勝手気ままに記事を書いていますが、真剣に物を売る形でアフェリエイト記事を書く作業には、結構頭を使います。
それは趣味ではなく、物を売る事が目的になるからです。
企業にとってのアフィリエイターのメリット
どんな会社でもそうですが、自社の製品にどんなに詳しくても、売るための紹介情報サイトを作る事は非常に難しいです。消費者は星の数ほどいて、様々な使い方をします。
そのような視点を、数十名の営業担当が持つことは事実上不可能です。
そこを、担うのがアフィリエイターの立場ではないかと僕は思っています。
Dellはアフィリエイト記事をねらって安売りした
ふと考えました、Dellはこの価格で売り出し、多数のアフィリエイトサイトに記事を書いてもらうことで、広告プロモーション費を節約しているのではないかと思ったのです。
新発売のモニターは珍しくなく、たとえばMSIもすごいゲーミングモニターを出したとユーザーへのメルマガ配信でプロモーションをしています。しかし、日本の個人サイトなどで積極的な記事が殆どありません。
型番を検索してもAmazonなどの通販サイト以外には検索結果が出ずに、お礼金付きの商品貸し出しなどでレビューサイトにお願いしているページと、ASCII.JPなどのニュースサイトでプレリリースを元にした記事が紹介される程度です。
で今回の、DELLのG3223Qは、結構な数のアフィリエイトサイトが発売直後の11日から販売紹介記事を書いてGoogle検索エンジンに登録されていたのです。
そのサイトのうちいくつかは、当サイトを含めて、実際にG3223Qを注文し、届いてから、レビュー記事が公開されることが予想されます。
そういった、販売戦術だとすると、Dellはものすごい成功したように見えます。
購入者バイアス
自分が購入した商品や気に入った商品には、バイアスがかかるので、そこそこの好意的な書き込みコメントが増えます。
アフィリエイターはコメントではなく記事として伝わるように書くため、モニターを検索する人にとって、DELLのモニターはいいぞ。というブランドイメージを作りやすくなります。
一方で、物が悪ければ、公開記事は出てこないだけです。わざわざ、自分が期待して購入した商品が期待外れだったという内容の記事を書くなんて、塩を傷口にすり込むのと同じだと、僕はおもいます。
逆に実際に買った価格より品質が高ければ、バイアスはマックスになります。
Dellにとって、戦略的なプロモーションだとすると、低品質な製品を戦術として投下することは考えにくいです。
戦略的な投資だとすると、バイアスマックスの好意記事が増えてきます。これは、割引価格による獲得利益の転嫁として販売促進費を捉えると、かなりリーズナブルな投資です。
5日で特別価格が終了したということは、もしかすると、販売予定数が5日で認知拡散の目標が達成したということなのかもしれません。
販売促進費
Dellは店頭販売をしていないため、Webやダイレクトメールなどで営業活動をしています。ここからは、これらの費用がどれぐらいかかっているかを見ていこうと思います。
案内Fax
DELLは頻繁にFAXや手紙に販売パンフレットを中小企業に送っています。Google検索でFAX広告を調べると、FAX広告業界最安値級というキャッチに1通3円とありました。
Dellの法人向けFax案内は5日に1通ぐらいのペースで10年以上届いています。
個人向けには固定電話の無料定額料金サービスなどがありますが、法人向けでは通話時間や通話回数などの制限があり、チリツモで結構な費用がかかっていそうです。
Faxが感熱紙やインクリボンだったころはマジかぁと不評でしたが、今はFAX付きコピー機がPDFファイルとしてファイルサーバーやE-Mailに転送できるので、受信している企業は多いと思います。
DellのFax案内で購入検討に入る事もあり、企業の購買担当がDell相場価格を目にすることで、駆け込み営業電話より先に、DellのFaxを元に作られた稟議書が上層部に向かって回覧しているケースはありそうです。
普段は見ずに消去されていても、タイミングによっては、えっ4万円でノートパソコン買えるの。。。買っとく?も多そうな気がします。
ダイレクトメールのコスト
Faxよりも費用がかかっていそうなのが、数ヶ月周期で届くDellのダイレクトメールです。
送料だけで、手紙でも63円かかりDM業者を使ったA4透明のOPP封筒だと1500通以上で最低でも一通80円かかります。
昔仕事で担当したことがある16ページのA4冊子を参考に計算してみたら、紙代が価格をしめ比例的に変化し始める1500部になると安くて20万円ぐらいとなり1部135円になります。更に別途デザイン料が必要です。
原稿料や写真手配などデザイン料を20%ぐらいにすると一部160円で1通240円。圧着式の開けるはがきはDM業者に頼むと一通80円程度になります。
1社単位で見ると、はがきと併せて1回320円で年間5回ダイレクトメールを送ると一社1,600円という計算になります。
この概算は、できる限り低コストで試した時の概算で、社員の給料やチームの運営費が含まれていない最低価格になっています。
そうなると、実際には販売促進費のコストはもっとかかっているはずです。
中小企業の数
中小機構の日本を支える中小企業によると中小企業は日本に3,578,176社もあります。
1,500通なんて最低数を例に出しましたが、Dellがダイレクトメールを送っている企業は数万単位に上ると思います。
かなりDellは販売促進費をつかっていることは、間違いないようです。
最終的な販売即品費からみる今回のプロモーション
製造原価よりは安く売ることはないと思いますが、数百台レベルの安売り販売をして注目を集める方が、従来のやり方で広告を打つよりも効果が高いのではないかと思います。
個人に買ってもらって法人営業につながるか
さて、今回のゲーミングモニターが法人営業とつながる可能性については、DELLの液晶モニターは単体で販売されており、品質もパソコンに付属のおまけのような物ではないため、販促効果はあると思います。
それは、企業の購買担当も個人であり、モニターの多くは、使ってみなければ分からないことだからです。
購買担当もチョイスした製品が好評なら社内評価も高まり、より良いチョイスのために、レビューサイトなどでしっかり調べていると考えるのが自然です。
比較サイトよりも実際に使った利用者によって作られたアフィリエイトサイトが多いほど、選ばれる可能性が高いと思います。
物の値段を知っている人
今回即断できた人は、たぶん物の相場がちゃんと分かっている人だと思います。そういう、パソコンに詳しそうな人が、リーズナブルに良い製品を手にする事は重要だとおもいます。
事業所でよくあるパソコンの詳しそうな若手への、どこのパソコンが良いと思うと聞くケースではかなりの高確率でブランドイメージが伝播します。
社内でのブランドイメージ伝播
どこのパソコンモニターが良いか?と上司に訪ねられた若手が「○○社の一番安い液晶は目がチカチカして使いにくいけど、Dellのゲーミングモニターは見やすくてムラもない、ほらクリエーター向けの設計て書いてあるから、ポップも作れますよ」
なんて話すきっかけになったとすると、同じランクにはならないと思いますがDellモニタで決定する可能性は高いです。
あとは喫煙室や休憩室での会話で、周りの人に勧める可能性が高いと思います。
特によくある年配者が缶コーヒーを渡しながら、若手に相談するケースなどは、勧めた商品の購買率はかなり高いです。
やはり特別値引きは法人販売にも効果あり
ということで、個人が使って良いと思ってもらえれば事業所にもメリットがあります。
今回は、十分に告知もでき、これ以上のプロモーションは必要なくなったので、今後この値段でのセールは、めったにないと思います。
またいつか、Dellの新商品割引を見つけた時に「即効で注文確定をしないと、その値段で買えなくなる可能性が高い」と覚えておく事は、買い逃しを防ぐ意味で重要だと思いませんか?
それにしても、プロフェッショナル向けではなく、あえてゲーミングモニターで販促をしたとすると、この販売戦略を立案した担当者はスゴいなと思います。
総括
まぁ、そういった感じなので、Dellが発売直後の特別値引きをやっていて、納期が2ヶ月近く後になっているのを見かけたら、とりあえず注文して買ってしまうのが良いかもしれません。
この記事はホビー三昧Dの勝手な妄想ですが、アフィリエイトによる拡散を意識した特別値引きのプロモーションや、法人向けのキャンペーンは考えすぎかなぁ。
とにかく、販売促進費をこれだけ使っているのだから、Dellが力をいれた販促は、バリュープライスで間違いないと思います。
それにしても、特別値引きが6日間なんて。。。短すぎぃ。。。。
記事の出発点
そうそう、この記事を書くきっかけとなった当サイトの記事は、「【その後】7万円以下で注文できた DELL 4K 144Hz IPS 32インチ G3223Q」です。
【速報】なんて公開しておいて、題を【その後】にちゃっかり変えちゃいました。納期が今のところ5月中頃なので、それまでは更新はしないと思います。