発売記念DLsiteキャンペーン VOICEPEAK 弦巻マキと宮舞モカセットで20%OFF(終了間近)に記事を書きましたが、2024年1月15日に、VOICEPEAK 弦巻マキと宮舞モカが新登場しました。
今回、音声合成ソフトを利用した劇場テスト動画を作ってみました。今回は、製作秘話ではないですが、製作ノウハウなどをメインに作っていこうかなと思います。
色々あり、「弦巻マキと宮舞モカも加わり総勢16名全員参加のVOICEPEAK劇場テスト動画」の公開を停止します。
作品出演などに関わるパブシティ権
まったく、記事のタイトルとは関係ないですが、今回、文化庁編著による「著作権法入門2023−2024」や、「映画・ゲームビジネスの著作権(第2版)」などの映像製作に関わる法律に関する資料を一通り読みました。
その中で、音声合成ソフトにおける、利用許諾範囲と関係しそうな権利に肖像権に関係する、パブリシティ権という物がありました。
芸能人やプロのスポーツ選手等のように、著名人の氏名や肖像には一定の顧客誘引力があり、その価値に基づく権利のことを「パブリシティ権」と呼ばれています。ただし、我が国では法律で「肖像権」や「パブリシティ権」を規定したものはなく、これらの権利は判例によって確立された権利です。なお、我が国では、パブリシティ権の内容・効果・範囲・期間等については、まだ明確にはなっていませんが、実務上、芸能プロダクションに所属する芸能人の多くは、芸能プロダクションが「パブリシティ権」を管理する場合が多いと思われます。
出典:文化庁資料 登録制度についてより引用
創作物に対する出演時などの利用許諾範囲は、芸能プロダクションとの契約に基づき報酬や対価が決まります。
正直詳しいことはよくわかりませんが、テレビ局や映画製作会社には契約法務部門があります。業界独自の何か難しいしがらみがあるのかもしれません。
ある程度自分なりに調べて、文章にして説明しても、僕ならその文章を読んでも信じず結局原典に当たるか専門家の指導を仰ぎます。労多くして功少なし状態なので詳しく書きませんがわかったことがあります。
明確に許可されていないことは、手を出さない方が安全。これにつきます。
文化庁著作権契約書作成支援システム
今回、芸能プロダクションとの契約など、業界情報などを見てきましたが、その中で文化庁の著作権契約書作成支援システムという物を見つけました。
こちらは、「著作物の創作や演技・演奏等の実演を職業としない者とその利用を職業としない者の契約(一般人どうしの契約)を想定して開発されています。」とあります。
色々複雑ですね。なんか、ここまで深刻に捉えてやらなくても良いような気もしますが、こういった物があるんだなぁ程度の参考になればと、少し記事を書いてみました。
権利関係を見直してやり直す
今回勢いで、「弦巻マキと宮舞モカも加わり総勢16名全員参加のVOICEPEAK劇場テスト動画」を公開したのち、非公開にしました。
ソフトウェアにある個人利用許諾範囲をじっくり再考して、問題が無いようであれば作り直して公開しようかなと思っています。
。。。VOICEPEAK商用利用可能な6ナレーションソフトを職場で利用するときには、法務部門へ社内利用をしても問題が無いかどうかの再確認を丸投げしていました。
自分の手で調べてみると、法律だけでなく業界慣習が関わる契約関係を確認する作業は難しく面倒ですね。自分で調べ尽くしたとしても、全然安心できる予感がしません。
ストーリーについて
ホビー三昧Dによる創作フィクション動画として劇場内に、商用利用オーケーズと、商用利用不可ノーズという総勢16名の二つのチームができているという設定で展開しています。
劇中で、個人利用に対する桜乃そらのホームページ内での音声合成利用禁止(ここはフィクションではなく現実の問題です)に気づき、商用利用不可ノーズ内でザワつきが始まりました。
これまで、チーム内のまとめ役として花柄キャラとして君臨していた桜乃そらが不在の中、彼女の後釜をめぐり密かな攻防が始まっていたのです。
桜乃そらの相方としていつも登板していたポロンちゃんは、桜乃そらの内心を気遣い落ち込むと共に自身の進退についても悩んでいました。
そんな中、商用利用オーケーズのメンバーの一人がポロンちゃんに救いの手を差し伸べます。
時を同じく、チーム内のフリモメン部長は、今回の出演NG(利用)に関する問題は、桜乃そらだけの問題ではなく、我々商用利用不可ノーズのメンバーの誰にでも起こりうる問題だと危機感を募らせました。
フリモメン部長は思い悩み、商用利用オーケーズに座を譲るときが来たのではと商用利用不可ノーズへ、力説し始めます。
なんだかんだあり、新たに商用不可ノーズに配属になった弦巻マキと宮舞モカが登場し、桜乃そらが不在になってもなんとかなるのではないかという、チーム内に希望が見えてくるというストーリーです。
製作背景
この動画が製作されたきっかけについて説明します。
個人利用許諾範囲の禁止事項に気づいた
2024年2月15日にVOICEPEAKキャラクターとして新たに、弦巻マキと宮舞モカが発売されました。
これについては、購入検討で気づいたことなどをまとめた、発売記念DLsiteキャンペーン VOICEPEAK 弦巻マキと宮舞モカセットで20%OFF(終了間近)(タイトル変更予定あり)にも記事を書いています。
検討記事にも書いてあるとおり、これまで桜乃そらとポロンちゃん以外の使用頻度が低かったため、当初は購入を見送っていました。
宮舞モカの公式紹介動画をみたとき、この感じは使いにくいなと思っていましたが、公式出力動画で他のパラメーターの声を聞き、使ってみたいと思い始めました。
前回確認したときには、多くの既存キャラクターに関するVOICEPEAKの音声合成利用に関する個人利用使用許諾範囲では、ホームページ内でのアフィリエイト商品紹介での利用に制限に気づきませんでした。
今回、宮舞モカ購入検討で利用規約を再度チェックしたとき、メインで利用を考えていた桜乃そらがホームページ内でのアフェリエイト商品紹介への利用禁止という項目を見つけました。
桜乃そら購入時に再度チェックしたかどうかは覚えていませんが、ホームページ内でのアフィリエイト商品紹介などの項目は、利用想定として確認していたところなので、なかったと思います。
ホビー三昧Dでは、アフィリエイト色が強い動画製作での利用も考えていたため、今回の利用許諾範囲にある禁止事項該当は、完全に当てが外れてしまった状態になっていました。
僕の中では桜乃そらとポロンちゃんの組み合わせは非常に使いやすく2人だけで成立しやすい存在でした。
現状では、アフィリエイト利用が禁止されているキャラクターは、「小春六花」と「桜乃そら」だけです。
現状のメンバーでどこまで、物語を作れるかと、試しにテストしたのが「弦巻マキと宮舞モカも加わり総勢16名全員参加のVOICEPEAK劇場テスト動画」の始まりです。
弦巻マキと宮舞モカの購入について
今回、弦巻マキと宮舞モカが新発売キャンペーンとして2本同時購入で20%OFFのキャンペーンがありました。
2つの特徴については、アフィリエイト色が強い紹介ページとしてURL確定している発売記念DLsiteキャンペーン VOICEPEAK 弦巻マキと宮舞モカセットで20%OFF(終了間近)(今後タイトル変更予定)で紹介しています。
ひいきにしているDLsiteでの売り上げランキングでも2本がランクインしており同時購入が絶対お得かなと僕は考えました。
そんなな中、弦巻マキと宮舞モカを発売初日に入手し出力音声の比較紹介をして公開しているYouTube動画を見ながら、購入を決意しました。
これで総勢16名が同時出演する動画が出来ました。
BGMの追加
最初のテスト動画は、パラメーター変化なども同時紹介することでVOICEPEAKの可能性について参考になりそうだという思いで作っていました。
そのため、通し音声出力で台詞ごとの個別出力をせずに、動画編集ソフトの映像トラックと音声トラックに同期してみましたが、ぼやけていました。
比較検討であればBGM無しの方がベターですが、すでに比較検討の参考になる作品が多数存在しています。
そこで途中からBGMを当てみました。作りながら面白くなってきて、SEを挿入してみたりと遊び始めました。
こだわり始めると、間を変えたいなど色々な欲が出てきます。
方針転換で可能性が広がった今後の目標
パラメーターの変化ごとの音声の違いがわかる動画としての方向性をやめてしまえば、台詞ごとの間の取り方もしっかり調節することが出来ます。
パラメーターの動きと音を合わせなければ、自由に世界観を作り上げていきます。まさに、方針転換で可能性が広がった瞬間です。
音声についてもキャラクター毎の位置関係を組み立て、音声とBGMなどの背景音の調節をすることで、溶け込ましたりとやりたいことが色々出てきました。
使用素材機材
使用機材や素材の紹介です。リンクは僕が購入したサウンドハウスさんとDLsiteさんとメーカー製品ページになっています。
音声合成ソフト
今回は、VOICEPEAK Ver.1.2.9(2024年2月22日時点で最新版)を使いました。VOICEPEAKはエディタと音声データベースがワンセットで販売されています。
インストール済みのVOICEPEAKへ、シリアルコードを追加する形で、一つのソフトですべてのキャラクターを出力することができます。
【VOICEPEAK 商用利用可能版】
VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット
男性1、男性2、男性3、女性1、女性2、女性3、女の子、男の子(追加購入)
【VOICEPEAK キャラクター版】
- VOICEPEAK 彩澄りりせ
- VOICEPEAK フリモメン(今回利用したすべてのキャラクター版に標準付属します)
- VOICEPEAK 東北ずん子(ずんだもん)
- VOICEPEAK 桜乃そら(ポロンちゃん)
- VOICEPEAK 弦巻マキ
- VOICEPEAK 宮舞モカ
【音響素材関係】
今回動画製作に利用した、BGMや音声データなどの情報です。DLsiteで販売されている同人サークルが製作を使いました。
その他のSEなどはUVIと、Native Instrumentsのセット音源を少々使っています。
BGM
- Roadroller Sound Studio「使用フリーBGM集 Vol.3、使用フリーBGM集 Vol.4」
- UVI「Xtreme」
SE
SE音素材ソフト
整音処理
整音関係については、ほとんどしていません。BGMの調節に3Dサラウンドエフェクトを利用し、ランドネス調整をしています。
- Plugin Alliance「SPL HawkEye」
- Dear Reality「dearVR Pro」(dearVR Pro2が2024年1月17日に登場しました)
【編集ソフト】
今回はすべてDaVinci Resolve上にて映像編集と音の調節を行いました。音声のポジション演出に、環境音やBGMなどにこだわってくると、DaVinci Resolve上では使いにくい感じがします。
映像編集と、音響編集ソフトを分けて最後に、映像編集ソフトで合わせる形にした方が良いような気がします。さすがにPro Toolsに手を出す予定はありませんが、ちょこちょこ考えています。
今後の予定
様子を見ながら、作品を作っていこうかなと思います。
単発物の動画よりも、ホビー三昧D独自の世界観を作りたいなと感じています。
世界観が出来た段階で、実は利用許諾範囲を超えていて配信が出来なくなると言う未来は避けるべきなので、とりあえず問題が無いかを十分考えた上で製作していこうかなと思います。
やるなら、徹底的に、やる。これこそ、趣味の醍醐味だと僕は思います。