フィギアというと、萌えキャラでちょっと恥ずかしいオタクの商品というイメージを持っていました。実は、3DCGや漫画制作をする人にはすごく役に立つものだったと知りました。今回、フィギアを購入しようとして気付いたことを書いてみました。

3DCGでのフィギア活用シーン

今から10年ぐらい前は3DCGソフト上で人間を配置するには、人型をZBrushなどのソフトを使い粘土細工のようなモデリングをゼロスクラッチで作る必要がありました。さらに、MayaやCinema4Dなど競合ソフト間の互換性がかなり悪く、オープンソースであるBlenderで利用するためのエクスポートツールもかなりの工夫が必要でした。

最近はオープンソース系のMakeHumanや有料データなどの間接リグ付きの人型データが比較的簡単に手に入り、10年でかなり利用者が増えたBlenderへのデータ相互変換もかなり使い勝手が良くなっています。

CGソフトでの人型データ

3D上のソフトで人や動物などを動かすには、ボーンと呼ばれる骨組にリグという関節をつけ角度などのパラメータを指定することで、動かすことができるようにしてあります。通常間接の稼働範囲には制限があり、必要以上に曲がらないように設定されています。

説明が難しいでが、イメージ的に説明すると間接リグ付きのCGデータとは、ガンプラのように関節が動く3Dデータ人形に、3DCGソフト上で各間接の角度を指定することで、動かすことができるのです。ここでは、CGキャラクタと読んでおきます。

CGキャラクタを動かす方法は色々がありますが、モーションキャプチャーと呼ばれる手法が一般的です。これは、ブルースクリーンなどで俳優さんにピンポン球のような目印を貼り付けて撮影し、画像解析で取り出した人間の間接の位置から、角度を割り出し、CG人形の関節数値に取り込む手法が使われています。

そのために、IKやFKで動かすためのボーンや間接リグが入力できるようにしてあり、俳優さんの動きをそのままCGキャラクターに反映させる場合はいいのですが、間接の角度を手動で動かしていく場合には、なかなか思う通りに動かないのです。

手作業で動きをつける

人の間接の動きがイメージできない状態で、動きをつけると、コップを口元に動かしたりする何気ない動作ですら、ギクシャクしてしまうのです。

自分の腕を動かしながら、肘を引きながら前腕を回転させといった、連動した間接の動きを確認をするのですが、腕は自分についているので、なかなかわかりにくく、人形があったらいいなぁとは思っていました。

漫画家も参考に使うフィギア

NHKの「浦沢直樹の漫勉neo」という、毎回有名な漫画家の制作作業を定点カメラで撮影し、浦沢先生と漫画家がモニターで確認しながら対談する形でノウハウを学ぶ番組があります。その番組内で、フィギアを知りました。浦沢先生はオリンピックアニメで有名な柔道漫画「YAWARA!」の原作者さんです。

40年のキャリアを持つ漫画家でも、作画の時にフィギアを使ったり、アシスタントにポーズをとってもらい写真撮影して、作画の参考にしているなど、見ていて勉強になります。

フィギアで検索しながら見つけた、市販のフィギアを使ったストップアニメーション作品を見て、その動きの自然さから、これはリグ付の参考になるのではと、ますますフィギアに興味を持ってしまったのです。

予約購入以外でフィギアは定価で買えない

今までフィギアを購入しようなどと考えたこともなかったのですが、実際に、購入しようと探してみると思いも寄らない事実を知りました。

結果から書くと、高品質なバンダイやマックスファクトリー製のフィギア(商品)は予約販売で予約購入しないと定価以下で入手できないということがわかりました。発売日どころか数ヶ月も前の予約受付期限をすぎると完売になるのです。なんか、こんな工業製品初めてです。

今回メーカー商品ページで選びに選んで購入を決断した、バンダイの「S.H.Figuarts ボディくん -ワイヤーフレーム- (Gray Color Ver.)(Amazon販売ページ)」は、発売日が2021年04月24日で発売されたばかりのはずなのに、Amazonで定価4,950円では購入ができず6900円で売り出されており、販売者もAmazon.co.jpではない、正規品の確証が持てない出品者ばかりなのです。転売屋というのかなぁ。

過去の製品には、定価の4倍以上の1万4千円や2万円から5万円を超える値段で売られていたのには驚きました。

転売屋から高額で購入しても、定価が5千円であれば、5千円レベルのものなので考えてしまいます。

色々なフィギアを見ていたら、どうやらフィギアは半受注生産販売のような形態をとっていて、届くのが注文受付終了してから6ヶ月以上先になるようでした。

どこの販売ページにも予約制限が設けられていて、予約で注文されるほとんどが転売目的で取引されているのではと感じてしまいました。メーカーにとっても在庫の心配がないメリットがあり黙認されているのかも知れません。

きっと、転売目的で大量に仕入れても、売り切れずに在庫を抱えている人も多そうな気がします。流石に定価3,600円のものを5万円では買わないと思う、イワシで本マグロを釣るのも大変そうだなぁ。

ちゃんとした正規品を買う

流石にここまで混沌としていると、転売品のように見える模造品をつかまされる可能性が高いので、とりあえず、ヨドバシカメラなど正規品をちゃんと扱っているお店で買おうかなと思いました。

日本最大級のアニメグッツの老舗はアニメイト という店らしいです。ホビー三昧Dは、アニメイトさんとアフィリエイト関係にあります。

アニメイトさんの販売商品を見たところ、1万円越えの高額商品を除くと、男性キャラクタの販売はなく、古い表現かも知れませんが現時点で萌えキャラフィギアしか予約注文受付をしていませんでした。

なんとなく、購入して。。。棚に置いておくことにやっぱり抵抗があります。かといって自動車の衝撃実験に使われる人形のようなデザインもちょっぴり怖い気もしてきました。今注文できるフィギはスケバン スタイルの子と、黒い服でかっこいいこの子 でした。

写真がないとイメージがつかめないですよね。下の写真はホビー三昧Dとアフィリエイト関係にあるAmazon画像です。

figma Styles 女性body[ユウキ] with テックウェアコーデ ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア(Amazon販売ページ)

ありえない世界観ですがチャーリーブラウンの後ろでガタガタするスヌーピーに、刀できりかかるポーズで飾ろうかなぁなんてちょっと思ってしまいました。

結局、多くの出品者販売から選んだ販売元Amazon.co.jpでの先行予約注文した子は身長13cmの上の写真の子です。色々なサイトを巡りながら、フィギアはキャンセルできない商品だと思い込み、覚悟を決めて注文してしまいました。

先に調べたどのお店でも注文後のキャンセルできないと書かれていたのでそういうものかなと思っていましたが、「販売: アマゾンジャパン合同会社」となっている販売元Amazon.co.jpからの先行予約では2021年6月21日までは予約をキャンセルできるようです。とりあえず、押さえるのもアリかも知れません。

一部上場しているある電気店の商品説明欄に「この商品は余裕を持って発注していますが、メーカーの都合により入荷数が大幅に少なくなる場合があります。入荷次第注文順に販売しますが、完売した場合注文を取り消させていただくことがあります」というような内容の凄いことが書かれていました。

Amazonは時々理不尽なキャンセルをする事もありアニメイトの方が安心だったかも知れません。

やっぱりちょっと恥ずかしいかなぁ

それにしても、今日から9ヶ月後の来年の3月下旬にいきなり、フィギアが届き、家族の誰かが開封したらちょっと恥ずかしいかも。公明正大に、フィギア買っちゃいましたというのが良さそうな気がしたのでした。

思い返してみれば、子供の頃「美少女戦士セーラームー」を見ることは恥ずかしいことだという先入観があってTVに映るとすぐにチャンネルを変えた記憶があります。今見ると、宝塚歌劇団っぽい笑いがあって面白いんだけど、フィギアに関する感覚はトラウマなのかな。

宝塚だって、熱狂的な宝塚ファンに付き合わされるまで、なんだか誤解していたので、例えとしては違うのかなぁ。

ここ数日後に、より安くて目的に沿ったものが見つかるかも知れません。現物を確認しながら買いたかったよぉ。

ところでピーナッツキャラクター(スヌーピー)はフィギアじゃないのか?と思いついてしまいました。もしかしてフィギアは初めてではないかも知れません。

とりあえず、人生初のフィギア購入でした。6ヶ月あったら家も立ちそうなぐらい長く待つことになりましたが、結構楽しみです。